日本のトレードは“後ろ向き”。印象改革には積極策を【小宮山悟の眼】
ニューヨーク・ヤンキースとシカゴ・ホワイトソックスの間で大型トレードが成立した。ヤンキースは中継ぎロバートソンとスラッガーのフレイジャーを獲得。代わりに2016年と13年のドラフト1位を含む4選手を交換要員とした。メジャーリーグでは当たり前のトレードだが、日本のトレード文化は少し異なる。今回は日米間のトレードの違いについて話したい。
2017/07/31
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日本のトレードは後ろ向き
まずヤンキースのトレードで興味深いのは、ドラフト1位で獲得した選手を放出したことだ。これは、日本のトレードではまずありえない。
それは日本では、「トレード=低迷したチームの補強策」という考え方があるからだ。トレード文化の馴染みが薄いため、後ろ向きな印象を受けることが多い。トレードされた選手も「放出された」という認識だ。
米国では、ペナントをとるために何が何でも補強したいというチームが有力選手に白羽の矢を立てる。だからブルペンが崩壊しているヤンキースのように、ロバートソンに白羽の矢を立て、ドラ1を放出するトレードが起こりうるのだ。
そもそもMLBは、ドラフトの1巡目だからといってすぐにメジャーリーガーになれるわけではない。入団後は100%マイナーから始まる。選手への期待値によって違いはあるが、ルーキーリーグから始まって、1A、2A、3Aと上がっていく。
3Aで1年ないし、ある程度は活躍できたというお墨付きをもらって、初めてスプリングトレーニングに招待される。つまり、日本のように入団して即戦力ではないため、ドラフトの順位がそこまで重視されることはないのだ。