日本人初のメジャーリーガー誕生秘話。運命のひと言と、歴史を動かした”子ども心”
在日米国大使館主催のイベント「日米の野球史-パイオニア達に聞く異文化体験から得た教訓-」が26日、同大使館で開かれた。元読売ジャイアンツのウォーレン・クロマティ氏と日本人初のメジャーリーガーの村上雅則氏が登壇し、村上氏は日本人初のメジャーリーガー誕生秘話を語った。
2017/08/04
まさかのMLB昇格
1964年8月末、村上は“まさか”のMLB昇格を果たした。
高校卒業後、南海ホークスに入団した村上は、プロ2年目でMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下の1Aフレズノに野球留学で派遣された。当初は3カ月だけの派遣予定だったが、そのシーズンの南海は絶好調で若い村上は必要とされなかった。
マイナーリーグで好投を続けた村上は、64年9月1日の対ニューヨーク・メッツ戦に日本人として初めてメジャー登板を果たし、同月29日には初勝利を挙げた。
「私はメジャーに行くために(米国に)行ったわけじゃないのです。本当は修学旅行に行ったような感じだったのです」 と村上は振り返る。
この言葉の裏側には、村上の人生を大きく変えたひと言があった。
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