あえて挙げたい巨人の17年プラス要素。坂本、菅野、田口、陽…「次代への土台作り」は着々【死亡遊戯コラム】
7月以降は15勝10敗1分け(8月4日時点)。序盤は13連敗もあり苦しんだ巨人がようやくAクラス争いに参入してきた。主力陣の高齢化、不可解なベンチワーク、そして山口俊の不祥事とマイナス面ばかり報じられることの多いチーム状況だったが、今回はあえて「2017年の由伸巨人プラス要素」を挙げてみよう。
2017/08/05
高卒4年目左腕 田口麗斗の安定感
若手が育たない、25歳以下の生え抜き野手本塁打0とマイナスの話題が多い野手陣とは対照的に、投手陣では4年目の田口麗斗が順調に成長している。9勝2敗、防御率2.43。17試合先発してQS(6回以上を投げ自責点3以下)を13試合で記録という安定度。いまやリーグ屈指のサウスポーと言っても過言ではないだろう。
ルーキーイヤーの1年目からその球を受けた先輩捕手に「あいつはモノが違う」と言わしめる実力を見せ、2年目には1軍で13登板中12試合で先発。当時、セットアッパー山口鉄也が徐々に衰え、同い年の松井裕樹(楽天)のようなリリーバー起用の可能性もあったが、首脳陣の「田口は何がなんでも先発投手として育てる」という意志が見える起用法だった。
3年目の昨季は10勝を記録。巨人の高卒3年目以内での2桁勝利はあの桑田真澄以来の快挙だった。89年生まれの菅野と95年生まれの田口。ここに助っ人右腕マイコラスを加えた全員20代の先発三本柱は、他球団にとっては短期決戦のポストシーズンで最も当たりたくないチームとして警戒されるはずだ。