あえて挙げたい巨人の17年プラス要素。坂本、菅野、田口、陽…「次代への土台作り」は着々【死亡遊戯コラム】
7月以降は15勝10敗1分け(8月4日時点)。序盤は13連敗もあり苦しんだ巨人がようやくAクラス争いに参入してきた。主力陣の高齢化、不可解なベンチワーク、そして山口俊の不祥事とマイナス面ばかり報じられることの多いチーム状況だったが、今回はあえて「2017年の由伸巨人プラス要素」を挙げてみよう。
2017/08/05
待ちに待ったトップバッター陽岱鋼の定着
ここ数年、巨人を悩ましていたのが「1番センター」の不在だった。09年新人王の松本哲也もその後停滞し、15年には立岡宗一郎が規定打席不足ながらも91試合で打率.304を記録するも、翌年から失速。なにより坂本とともにチームの柱を期待された長野久義は14年オフに膝を手術後は攻守ともに精彩を欠いている。
そこでFAで日本ハムから獲得したのが陽岱鋼だ。キャンプから下半身の違和感で出遅れたものの、6月6日の西武戦(メットライフドーム)で「1番センター」として移籍後初出場。その後、チーム事情で5番や6番を打つことも多かったが、7月末から再び1番復帰すると、3日のヤクルト戦(神宮)では先頭打者アーチを含む2打席連続弾。翌4日の中日戦でも2試合連続の先頭弾を含む3安打猛打賞。41試合、打率.313、7本塁打、18打点と今季のFA加入組では唯一期待通りの活躍を見せている。
このセンターを任せられる陽の加入により、同じ右打ち外野手の長野の負担を減らし、試合終盤にライト長野に代わり守備固めの投入という采配も可能になった。突き詰めると「2番マギー」という攻撃的スタメンを可能にしたのも、上位でも下位打線でも安定した成績を残せる陽の存在が大きかったように思う。
坂本と菅野の活躍、田口の成長、1番センター陽の定着。こうして2017年の収穫を挙げていくと、なんだかんだ言われながら着々と「次代のチームの土台作り」が進んでいることが分かる。
あとはその土台の上で躍動する若手選手の出現を待つばかりだ。