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大きな夢に向かって――DeNAベイスターズドラ1・山﨑康晃の挑戦

横浜DeNAベイスターズからドラフト1位で入団した山﨑康晃。首脳陣の評価も上々だ。彼には夢があるという。

2015/03/04

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ベースボールチャンネル編集部



ドラフト1位への期待度の高さ

 プロを相手に投げる初登板をドラフト1位ルーキー・山﨑康晃はこう振り返った。

「自分でも思ったより緊張していて1イニング目は良くなかったですけど、2イニング目からは自分の球は投げられたかなと思います」

 プロといっても、シート打撃なのだが首脳陣の評価は決して悪くなかった。練習後の中畑清監督も「四球を恐れずいい度胸をしている」と満足げに話していた。

 確かにいい球を投げるピッチャーだ。インステップのフォームから投げ込まれる球種の数々は、すべてに角度が付いている。140キロ台中盤のストレートとスライダー、ツーシーム、魔球と評判のナックルとのコンビネーションは素晴らしい。

 しかし、引っかかることがある。体の線の細さだ。アマチュアトップクラスのピッチャーとして騒がれた亜大時代に大きく見えた体が、プロに並ぶとそうは思えなくなっている。

 そんな質問を投げかけると、山﨑は笑って言った。

「そうですね。みんなでかいっすよね。ちょっとでも甘い所にいったら外野に運ばれてしまいますし、力の違いはやっぱり感じます」

 ドラフト1位選手への期待は高い。即戦力だ、開幕一軍だ、ローテーションだと騒ぎ立て、ドラフト1位の看板を背負わされる。
 周囲の大きすぎる期待が、将来に響いたという例も過去に少なくない。

 山﨑本人の言葉を聞けば、彼はわかっているのだと少し安心したくもなる。
 一方で、山﨑には敏感に力を感じ取る嗅覚があり、何より、ある側面で人より非常に秀でている能力がある。

 それは何か――彼は頑張りすぎる男なのだ。
 大学時代、山﨑はこんな言葉を残している。

「もう無理だと思って諦めたことはないです。どんな相手でも」

 その反骨心は高校時代の苦い経験が礎になっている。

【次ページ】慌てずに一歩一歩
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