パは東浜でなく西武・菊池。菅野とともに隙ない“3つの要素”。野手は文句なしの桑原&秋山【データで選出7月月間MVP】
7月度の日本生命月間MVPは、野手は秋山翔吾(西武)と桑原将志(DeNA)が選出された。上位争いに加わろうとするチームを支えたバットマンが選ばれた格好だ。投手は東浜巨(ソフトバンク)と菅野智之(巨人)が選出。菅野は5月度に続く2度目の選出となり、大型連敗やGMの辞任、コーチングスタッフの入れ替えなど波乱のシーズンを送るチームにあって好調をキープしている。今月もデータに主眼を置いた別角度からの評価で、7月に最も大きな貢献を果たしていた選手をチェックしていきたい。
2017/08/11
DELTA
4分の3程度の打席数でトップレベルだった柳田
貢献の評価は、(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手の働きを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合の働き(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。
「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。
野手はパ・リーグが平均から12.4点の上積みをつくった秋山、セ・リーグでは両リーグ最高の19.0点を積み上げた桑原がトップとなり“本家”と一致した。ほかにはパ・リーグでは柳田悠岐(ソフトバンク)、セ・リーグでは菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也の広島勢が健闘を見せていた。
桑原、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)、柳田はそれぞれ打撃で14.6点、14.3点、12.2点と高い貢献を見せた。桑原、柳田は出塁を通じて貢献(出塁率はそれぞれ.439と.507)し、バレンティンは11本塁打を放った長打力で数字を伸ばした。
前述した通り、ここで示している打撃貢献は、質の高い打撃を多くの量(機会)をこなすことで大きくなる。柳田はチームの試合数が少なかったことや自打球による欠場で、他選手に比べると4分の3程度の打席数だったにもかかわらず、トップレベルの数字を残している。打席数が他選手並であったらトップは柳田になっていた可能性もある。