自身初の10勝をマークした阪神の8年目右腕・秋山拓巳。磨きをかけた制球力はNPB全体でも屈指
2017/08/19
阪神タイガースの秋山拓巳投手(26)は、18日に敵地・ナゴヤドームで行われた中日ドラゴンズ戦に先発登板。投げては7回を105球で5安打・5奪三振・無四球・2失点、打っては、6回に野手顔負けの弾道で右翼スタンドにプロ初本塁打を放ち、自身初となる10勝目をマークした。
秋山は今季でプロ8年目。高校時代は「伊予ゴジラ」の異名を取り、愛媛・西条高校から2009年のドラフト4位で阪神に入団。
高校通算48本塁打を放っており、打者としての評価も高かったが、秋山自身の強い希望により投手としてプロの道を歩むことに。ルーキーイヤーこそ7試合に登板し4勝3敗、防御率3.35という成績を残したが、その後は伸び悩む。3年間白星から遠ざかるなど、苦しい時期が続いた秋山だったが、今季遂に才能が開花。
今季は制球力に磨きをかけ、18試合に登板して117.1回を投げて10勝4敗、101奪三振、11四球、防御率2.91と好成績をマーク。特に、与四球の少なさは際立っており、3.5を超えていると優秀と言われる制球力を示す指標「K/BB」は9.18と両リーグトップの数字を残している。(K/BBは奪三振/与四球で計算される)
セ・リーグでは2位が巨人・マイコラスの8.25、3位は巨人・菅野智之の5.71となっており、3.5を上回っているのは3名のみ。ちなみに、4位の阪神・メッセンジャーは3.34となっている。
パ・リーグでは1位の楽天・則本昂大が4.94、2位の西武・菊池雄星が4.85、3位の楽天・岸孝之が4.64、4位の楽天・美馬学が4.08と計4名が3.5以上の数値を記録しているが、その他の投手は3.5を下回っている。
このように、今季の秋山の制球力はNPB全体で見てもトップクラスにある。元々、150キロ近くの速球やカットボールを主とした変化球を持っており、それらを制球できるようになったことで今季の好成績につながっている。
また、打撃でも打率.216(42-8)と、打撃が得意ではない投手陣の中で好成績を残している。
8年目で抜群の制球力を身につけ、ブレークを果たした秋山。チームやファンの期待にこたえ続けている26歳右腕は、今後も投打でどのような活躍を見せてくれるだろうか。