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不動の選手は少ない? 今季、12球団の「開幕4番」は誰になるか【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、2015年の開幕4番候補について考えてみた。

2015/03/06

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ベースボールチャンネル編集部



ベイスターズは筒香を4番固定

 次にセリーグを見てみよう。

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 巨人は4番候補がたくさんいる。しかし今年は一塁にコンバートした阿部慎之助を軸に打線を形成すると考えられる。故障が発生しない限り、今のところ開幕4番は阿部以外に考えにくい。

 阪神は、昨年打点王を獲得したゴメスで当確だろう。
 広島は、新井貴浩の4番も見たいところだが、本塁打王のエルドレッドが順当だ。

 中日は昨年、平田良介を開幕から4番に固定。しかし毎年開幕4番が変わっているだけに平田以外にもベストナインに輝いたルナ、あるいはチームの打点王の森野、2000本安打が懸かる和田という可能性もある。

 DeNAは、ブランコが2年続けて4番を打っていた。オリックスに移籍した今年、中畑清監督は筒香嘉智の4番固定を明言している。新キャプテンにも任命され、まさに「抜擢」だ。筒香を中心に打線の軸ができるかが重要になる。

 ヤクルトは順当ならばバレンティン、しかし今年は出遅れている。若手の好打者がたくさんいるものの、4番を任せることができる打者は案外少ない。開幕4番の経験が2度ある畠山か、チームの打点王(90打点)の雄平の可能性が高い。

中田翔は、不動の4番打者になりうるか?

 古いデータで恐縮だが、ON時代の巨人の「開幕4番」の推移を見ていただきたい。

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 1958年、入団1年目の長嶋は開幕3番で、4番にはこの年で引退する川上哲治が座ったが、以後8年間は長嶋が不動の「開幕4番」。
 長嶋現役中に王貞治が2度「開幕4番」を務めた。しかし71年以降、川上監督は成績が落ちても長嶋を「開幕4番」に据え続けた。単なる実力者ではなく、巨人を象徴する精神的な支柱としての役割を長嶋に期待したからだろう。

 その長嶋が引退し監督に就任した75年は、王貞治がオープン戦で左ふくらはぎ肉離れを起こして出遅れたため、末次利光を4番に据えた。この年、チームは初めての最下位に沈んでいる。
 それ以後、王貞治は引退まで「開幕4番」を務め上げた。

 今、これに比肩しうる「開幕4番」打者はいない。
 しかし可能性として、日本ハムの中田翔は、それにふさわしい打者になりつつあるように思える。彼は「開幕4番」を何年続けることができるだろうか。

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