谷元放出に続くメンドーサ今季途中退団報道は、2016年日本一チーム解体の始まり?【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#58】
日本ハムのチーム編成は非常に合理的だ。その方向性は理解できる一方、それが時にはファンにとって残念な感情も抱かせる。
2017/08/26
今後も続々と卒業の可能性も……
マネジメントにおいてコスト意識は大切だから、ファイターズのビジネスに難癖はつけたくないのだ。だけど、ちょっと冷たいなぁと思う。去年の日本シリーズ第5戦を思い出してほしい。先発・加藤貴之がつぶれ、スコアは0対1、2回表1死満塁の大ピンチに出て行って「神リリーフ」で試合をつくったのはメンドーサだ。あのときもシリーズの余剰戦力だった。シーズン中はパッとしなくて、あの大舞台で使ってみたら意気に燃えるピッチングを見せてくれた。2勝2敗で迎えた第5戦だ。メンドーサがいなければあの試合は失っていただろう。広島に王手がかかってマツダへ帰るところだった。フツーの外国人はあの使われ方であそこまでチームに尽くさない。メンドーサは本当にいいヤツなんだ。
今季は成績的にさっぱりだったが、大谷翔平のお試し先発(7月12日、1回1/3、4失点)を思い出してほしい。ファームでなく、1軍での調整登板という身勝手といえば身勝手な企ての後を受け、嫌な顔ひとつせず試合を支えたのはメンドーサだ。チーム事情をあんなに呑み込んでくれる外国人投手っているだろうか。
まぁ、本稿執筆の時点でまだメンドーサの移籍も帰国も発表になってはいないから、一切が杞憂ということだってあり得ることだ。ただね、ファイターズファンは陽岱鋼の「卒業おめでとう」からこっち、球団はそういう方針なんだなと思っている。
新聞辞令の通りなら次のオフは大谷翔平や中田翔がチームを出るかもしれない。今季の使われ方を見ると大野奨太も「卒業おめでとう」かもしれない。心底寂しいのだ。ため息が出る。2016年日本一のファイターズはこんな簡単に解体されてしまうのか。
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