西武・菊池雄星の反則投球問題、判断の統一性がない「審判団の失態」【小宮山悟の眼】
埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手の投球フォームが反則投球として審判団よりクレームがついた。西武側が審判団の対応に疑問を呈するなど大きな問題となったこの件について検証したい。
2017/08/30
2段モーションの解釈の違い
今回、菊池投手は右足を上げた際に「段ができる」として、不正投球を宣告された。これは日本のルールでは反則を取られても致し方ないだろう。しかし、ワールドスタンダードで考えるなら、誰も菊池の投球フォームにはクレームをつけない。
その差は、2段モーションの「段」をどう解釈しているかだ。日本の解釈では、おそらく足を上下することを「段ができる」という。しかし、もともとはバッターに対して投げようとして足を上げ下げすることを「段」というわけではない。
1度投げるのをやめて、再び投球するようなフェイクモーションのことを言っているのだ。例えば、振りかぶって足を上げたのに、途中でフェイクを入れる。バッターの反応の裏をかいて投げることが違反なのだ。
バッターが打つ構えを辞めるほどの間があり、その瞬間に投げるような行為を禁じている。動き始めてから止めること、足を“ペコペコ”することは問題視されないのである。メジャーリーグでは2段モーションのボークはほとんど取られない。
日本と世界のルールは違うと言ってしまえばそれまでだが、国際大会があるのだから統一しなければいけないだろう。日本の審判が国際大会に派遣されて、日本と同じようなジャッジをすれば問題になるはずだ。
しかし、これまで揉めたという話を聞かないことを考えると、日本の審判は国際大会で忖度しているということになるのではないか。ならば、日本だけのルールではなく、世界のルールでやればいいだろう。