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巨人・陽岱鋼の存在価値。逆転CSへ“1番打者のスペシャリスト”が果たす役割【死亡遊戯コラム】

昨オフにFAで読売ジャイアンツに加入した陽岱鋼外野手が調子を上げている。リードオフマンとしての役割を果たし、「1番センター」に定着している。

2017/09/02

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求められる野球選手としてのモデルチェンジ

 
 リーグトップの盗塁数にリーグ3位の145安打と強力赤ヘル打線のチャンスメークに徹する田中、核弾頭として一発の魅力もある桑原と糸井(阪神は翌31日は1番俊介)。新人王レースを独走する中日のルーキー京田。そんな豪華メンツの中、試合数こそ少ないが彼らを凌ぐ打率とOPS(出塁率+長打率)を残しているのが陽である。
 
 贅沢を言えば、盗塁数の少なさが気になるところ。日本ハム時代の13年に47盗塁でタイトルに輝いてから様々な故障に見舞われ年々減少し、昨季は5盗塁、今季もわずか4盗塁だ。30歳を迎え、野球選手としてモデルチェンジが求められる時期ということだろう。
 
 この陽が「1番センター」に定着したことにより、長野を負担の少ない7番で起用することができ、現在のスタメンが可能になった。原前監督が07年に「1番高橋由伸、2番谷佳知」の攻撃的オーダーでチーム再建に乗り出したように、その10年後、監督になった由伸が「1番陽、2番マギー」でテコ入れしたのは興味深い。
 
 あるプロ野球監督にインタビューした時、1番打者について聞いたら「オーダーを組む上で非常に大事」と前置きした上でこんなことを言っていた。
 
 「とにかくやることが多いポジション。代わりがいない存在で、守備位置でいうと捕手のような専門職だと思っています」
 
 いわば陽は日本ハムで長年に渡りトップバッターを託された、「1番打者のスペシャリスト」なのである。
 
 さらに背番号2のストロングポイントはチャンスで打席に入ると、得点圏打率.360、3本、23点とまるでクリーンナップのような打撃もできることだ(昨季、日本ハムでは主に1番、3番、6番で起用され、得点圏打率.323)。
 
 チャンスメークとポイントゲッターを託せるトップバッター、「1番センター陽」はいまや逆転CS出場を狙う巨人打線のなくてはならない武器である。

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