楽天・オコエ瑠偉、ハーフゆえの“確固たる個”。プロ2年目で見据える10年後の姿とは
東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉外野手が8月の今季初昇格から打撃でアピールを続けている。高校時代は俊足で鳴らしたオコエだが、プロ2年目にして自らの個性を理解し、さらに先を見据えた選手像を思い描いている。
2017/09/05
プロ1年目に芽生えた“強く振る”意識
オコエがプロに入ってからの1年間で取り組んできたのは“強く振る”ことだった。
「1年目にたくさんのことを経験させてもらって感じたのは、どのような打者でも強く振っているということ。監督やコーチからは形やタイミングの取り方を教えてもらったんですけど、僕はまだそれ以前の問題だなと思った。監督やコーチの話を聞きながら、まず“強く振ること”、試合の打席でフルスイングできるかをテーマにしてきた」
技術を覚える以前に必要なことがある。ルーキーながら指導者の言葉をうのみにするだけでなく、自らをどう向上させるかというイメージを持っていた。
ルーキーや若い選手には、指導者から言われたことで余裕がなくなるケースが多い。自身の課題や取り組むべきことをイメージできないまま苦しむ。しかし、オコエは自分なりに「なるべき姿」を常に思い描くことができているのだ。
「今は脚があるところがみせられているけど、もし30歳とか、それを超えたときに野球をやっていれば、プレースタイルを変えなきゃいけなくなる。メジャーリーグを見ていても分かると思うんですけど、だいたいのアフリカ系の選手って、年を取ると太ってくる。足の筋力も落ちてくる。その代りにバッティングは向上する。僕もそうなっていくんじゃないかなと思ってる」
彼の確かな言葉から選手としての成長を感じられる。2年目にして10年後の自身のプレースタイルがイメージできている。決して言われてできることではなく、このイメージの構築が彼を選手として、人としてさらなる高みへと導くはずだ。