下位打線で存在感放つ広島の2008年ドラ1・岩本。シーズン佳境の躍進にはこの男の活躍アリ
2017/09/14
2008年にドラフト1位で広島東洋カープに入団した岩本貴裕(31)。今の広島にはこの男の存在が必要不可欠と言っても間違いない。
広島は8月23日のDeNA戦で若き4番として大活躍を見せていた鈴木誠也が右脛骨内果剥離骨折で戦線離脱となった。
その後は松山竜平が4番に座り活躍を続けている一方、エルドレッドが外野に回って新井貴浩が一塁として先発出場したり、西川竜馬や安部友裕が一塁や三塁を守ったりと、厚い選手層を活かして様々なオーダーを組んでいたが、8月4日に一度登録抹消となり、15日に再び再昇格を果たした岩本が下位打線で存在感を放っている。
今季成績は26試合出場で打率.447(38-17)、1本塁打、12打点、出塁率.462、OPS1.093と好成績を残している。シーズン開幕から1軍に帯同し、疲れが見える選手も多くなっている中で、31歳と中堅の域に入った選手が結果を残し、チームに貢献するのはなんとも頼もしい光景だ。
地元・広島出身で広島商業高校・亜細亜大を経てドラフト1位で広島に入団した岩本は、身長182センチで96キロという恵まれた体格からここまで長距離砲として期待されながらも、中々芽が出ない苦しい日々を送ってきた。
自己ベストは2010年に放った14本塁打で、それ以外の年は不調に陥ったり、チャンスを活かせず成績は伸び悩んでいたが、今季は少ないチャンスをモノにしている。
9日の中日戦では7回に3季ぶりとなる3点本塁打を放ち勝利に大きく貢献。12日のDeNA戦では敗戦こそしたものの丸の3安打に続いて岩本も2安打と気を吐き、13日の試合では2安打3打点と2度のビッグイニングを作る立役者の1人となった。
9月はここまで20打数9安打で打率.450、1本塁打、6打点と大暴れ。4戦連続安打中と、広島のシーズン佳境の躍進にはこの男が一役買っていることは間違いない。
いよいよ2年連続のリーグ優勝が目前と迫った広島。最後まで若手・中堅・ベテラン全員で力を合わせたチーム一丸の戦いで白星をもぎ取り、優勝の美酒に酔いしれたいところだ。