悔しさ募る消化試合。でも「大谷が投げ、中田が打つ」試合は心ときめく【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#60】
福岡ソフトバンクホークス、パ・リーグ優勝おめでとうございます! 工藤監督の胴上げの瞬間、それから涙の優勝監督インタビューを見て、感動すると同時に悔しさがこみ上げてきました。本当に強かった。見事な戦いぶりでした。
2017/09/23
来季の活躍を期待させる、横尾の一発
翌21日の25回戦は大谷翔平登板試合だ。ものすごい事態だ。「調整登板」vs「調整試合」。この一戦の勝ち負けよりも、来るべき大リーグ挑戦やCSに意識が向けられた構図になる。大谷は6回5被安打5四球1失点(108球)という内容だった。最速は162キロ、全体のほぼ4割がスライダーだ。「今日に関してはいいところがありませんでした。反省を次につなげていけるよう調整していきます」(本人コメント)。
一方ソフトバンクとしては先発・武田翔太のメドが立つかどうかだったが、4回2/3、6被安打4四死球6失点(104球)は追試が必要になった。大谷攻略に関して言えばスピードボールのイメージにとらわれ、変化球でかわされた印象。4回の上林誠知13号ソロは、貴重な(最後の?)対戦機会を生かした勲章のような一打。下降気味だった上林のバットにいいきっかけを与えるんじゃないか。
ファイターズは中田翔のタイムリー2塁打、松本剛タイムリー、横尾俊建5号2ランで序盤に5点リードを奪う久々のナイスゲームだった。僕は本来ならペナントの行方を左右する天王山になっていてもおかしくなかったこのゲームで「大谷が投げ、中田が打つ」が実現してよかったと心から思う。両軍が何の調整をしていようが、ファンにとっては目の前のこの一戦がすべてじゃないか。「3年に一度優勝は立派」といっても、そこに心ときめくものがなかったら空しい。
という意味ではシーズン最後の最後に大爆発を見せてくれている「おにぎり君」こと横尾俊建には最大級の賛辞を送りたい。あの強烈なスイング、ど派手な弾道は夢だ。5位だろうが80敗だろうが、ファンは夢を見に球場へやってくる。スタンドにおにぎりグッズが増えていくのには理由があると思う。6対4で勝利。
ソフトバンクは柳田の負傷でCSに暗雲が立ち込めることになった。本当にケガ人の続く苦しいシーズンである。が、彼らの底力を僕らはよく知っている。まだうちも1試合残ってるけど、エールを送りたい。ホークス最強であれ。僕らの高い目標であれ。
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