清宮、プロ入りは茨の道か。平均以下の守備・走塁…本塁打記録で意義証明を【小宮山悟の眼】
早実の清宮幸太郎内野手がプロ野球志望届を提出した。10月26日のドラフト会議を前に、すでに1位指名を明言する球団もあり、過去最多の8球団競合を上回る可能性も出てきている。
2017/09/28
守備・走塁は平均以下
早実の清宮幸太郎選手がプロ野球志望届を提出した。
プロか進学かと注目を浴び、決定前に記者会見するなど、高校通算111本塁打をマークした清宮は常に話題の中心だ。しかし、この決定は私にとっては意外だった。なぜなら大学進学が理想だと考えていたからだ。
私が思い描いていた彼の青写真は大学で4年間プレーすることだった。ただ4年後のプロ入りを待つのではなく、東京六大学野球のありとあらゆる記録を塗り替え、鳴り物入りでのプロ入りだ。
そして5年ないし数年は日本のプロ野球でプレーし、夢のメジャー挑戦という筋書きだ。米国での経験を経て、日本球界に復帰して現役を終える。先日、引退試合を終えた千葉ロッテマリーンズの井口資仁内野手のようなケースが理想的だとみていた。
というのも、清宮には大きな課題が残されている。周知のようにバッティングに関して問題はない。現段階でプロの中でも平均、もしくは平均以上のレベルにあると言えるだろう。
しかし、守備・走塁に関しては平均以下だ。このまま打撃だけを伸ばすことになるのか、それとも平均以下である守備・走塁を矯正するのか。入団した球団によって彼の野球人生はかなり左右されるだろう。
プロ野球という舞台は、本当に選ばれたものしか活躍できない。そう考えると、これまでの彼のプレーを思い返せば、過去のスラッガーたちと比べて見劣りする点が多い。
夏の選手権予選の決勝・東海大菅生戦。彼は大事な場面で守備のミスを犯した。過去の甲子園で活躍し、プロへ進んだスーパースターのなかで守りのミスをした選手を私は見たことがない。どれくらいの人が覚えているかはわからないが、「あそこで、もし清宮が捕っていれば…」という試合はかなりあるように思う。