名捕手の系譜「27」へ “攻撃型”捕手・會澤翼が羽ばたく2015年
怪我による離脱もあったが昨年規定打席未達ながら3割をマーク。新時代の「攻撃型」捕手の台頭に、首脳陣の期待は高まっている。今季から背番号「27」をつける會澤翼。何といっても、その打撃が魅力だ。
2015/03/15
新井打撃コーチも絶賛
カープの黄金時代には、必ず、名捕手の存在があった。1975年の初優勝に貢献し、「江夏の21球」でも名を馳せた水沼四郎、巧みなリードで投手王国を支えた達川光男、そして、90年代を担った西山秀二とその系譜は続く。
安定したキャッチング、正確なスローイング、投手心理を知り尽くしたリード。いずれも、高い守備力を土台にレギュラーポジションを勝ち取ってきた。
その歴史に新しい風を吹き込もうというキャッチャーがいる。入団9年目を迎える會澤翼である。昨シーズンは、球団の捕手として4人目となる二桁本塁打を放ち、打率も規定打席には届かなかったものの3割をマークした。
新時代の「攻撃型」捕手の台頭に、首脳陣の期待は高まる。新井宏昌打撃コーチは彼の存在の大きさを評価する。
「春季キャンプで一番目についたのが會澤のバッティングです。彼が、安定してスタメンに入ってくれれば、打線の期待感が膨らみます。下位打線でも、相手からすると息をつけない打線になるでしょう。大量得点というケースも十分に考えられます」
これまでも打撃には一定の評価があったが、「安定感に欠ける」という課題もあった。しかし、昨年はそのイメージは見事に払拭された。もともとあまり好まなかったウエイトトレーニングを本格的に導入し、体重92キロでキャンプイン。
「これまで成績もついてこなかったので、何かを変えたいという思いでした。やってみると、自分が思う以上に筋肉がつきました。体力がつくといいますか、体が強くなった感覚でした」
その効果はパフォーマンスに直結した。シーズン中も、肩やヒジなどに痛みを感じることがなく、自分のプレーに集中できた。
その中で、打撃技術も向上した。
「去年、タイミングについて学びました。打撃は、やはりタイミングなのですね。タイミングさえあえば、打球は飛んでいくものだと実感しました」