西武・菊池、悔しさバネに“真のエース”へ成長。自己最多の16勝目「最高の試合できた」
2017/10/04
埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手は3日、本拠地でレギュラーシーズン最後のマウンドに上がった。東北楽天ゴールデンイーグルスを相手に8回9奪三振3失点の力投で16勝目を挙げた。お立ち台に立ったエースは「最高の試合ができました」と、目を潤ませた。
リーグ2位争いを繰り広げる西武と楽天。前日の試合は接戦をものにできず、1-2で敗れた。今季最後の直接対決のマウンドは菊池にゆだねられた。
今季初の中11日での先発。体調不良で6回83球で交代した9月22日以来の登板だった。菊池は前日に間隔があいたことに対して不安を口にしたが、「休みをもらったと思ってプラスにとらえたい」と話していた。
しかし、この日は制球の精彩を欠き、苦しい場面が続いた。女房役の炭谷が「今シーズンの下から数えた方が早いくらい」というほど状態は良くなかった。最大のピンチは2点をリードして迎えた8回表。2四球などで無死満塁とするも、一気にギアを上げ、2三振と中飛で切り抜けた。
菊池は「正直しんどかった」と振り返ったが、「こういう試合を勝ったのは今年1年の成長だと思う。ここで自滅したら前の僕と一緒。何とか頑張った」と笑みを浮かべた。
3日現在、自己最多の16勝でハーラートップタイに並び、防御率1.97、217奪三振でリーグトップに立った。
昨オフに岸が楽天にFA移籍。エースとしての期待がかかった1年だった。「開幕前は下馬評も低くて、投手陣がどうのって言われて悔しかった」。その思いをバネに大きな成長を遂げた。開幕からローテーションを守り、不正投球騒動も乗り越えた。
「CSを必ずここで」。シーズン最後の大一番で粘り勝ち、“真のエース”はポストシーズンを見据えた。