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阪神タイガース・鳥谷敬のデータから見えてくる遊撃手の真価【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、データから遊撃手・鳥谷敬について考えてみた。

2015/03/14

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鳥谷が戦力のうちに後継者の育成を

 守備率の高い遊撃手と、RFが高い遊撃手を比べてみよう。チーム全体での遊撃手の成績を並べてみた。赤字は1位、青字は最下位となる。
 
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 鳥谷敬ひとりが遊撃のポジションを守る阪神が守備率、失策の少なさでは1位だが、守備機会、補殺数、併殺参加数、RFは最下位。
 反対にDeNAは守備機会、刺殺数、RFでは1位だが、失策の少なさ、守備率では最下位。
 数字の通り、エラーの数はDeNAが19個多いが、アウトにした数はDeNAが146個も多い。単純に数字だけを見比べれば、どちらの遊撃手が貢献度が高いかは明らかだろう。
 
 一般的に内野手は、若い頃は守備範囲は広いが失策も多い。年を取るにつれて守備範囲が狭くなる分、失策は減っていく。宮本慎也が三塁手の最高守備率.997を記録したのは41歳の時だった。
 鳥谷もその通りの軌跡をたどっている。過去10年の鳥谷敬の守備成績だ。
 
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 鳥谷は2008年、27歳の時には守備機会739、RF5.13という驚異的な数字を残している。昨年の今宮よりもはるかに守備範囲が広かったのだ。失策数は15もあったが、1試合あたり5つ以上のアウトを取っていた計算になる。
 それが昨年は、3.97に減少。遊撃手としての鳥谷は、明らかにベテランの領域に入ってきた。
 
 昨年、MLBに挑戦を表明した鳥谷敬は最終的に阪神に残留となった。チームとしては喜ばしいことだ。
 一方で守備範囲が狭くなってきたのも事実だ。
 鳥谷以上の選手がもちろんすぐに表れるわけではないが、こうした数字の変化から考えると、やはり後継者をどのように育てていくかを球団として真剣に考えなければならない時期に来ているだろう。
 
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