明暗分かれた今季の開幕投手。飛躍遂げた投手たちの一方、故障や不振に苦しむ投手も
2017/10/12
パ・リーグ
ソフトバンク・和田毅
8試合 47回 4勝0敗 5QS 34奪三振 8四球 防御率2.49 Whip0.89
昨季は15勝をマークし、最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した和田。しかし、今季は4月に左ひじの違和感で登録抹消され長期離脱。復帰は8月下旬となったが、安定した投球で今季は無敗で終わった。
ポストシーズンに向けて、10月6日のオリックス戦では2009年以来(メジャーでは2015年に一度)となるリリーフ登板もこなし、2回をパーフェクトピッチングと安定感抜群の投球を見せた。今後のポストシーズンでも、貴重な左腕として戦力となってくれることは間違いないだろう。
西武・菊池雄星
26試合 187回2/3 16勝6敗 23QS 217奪三振 49四球 防御率1.97 Whip0.91
2年連続となる開幕投手を務めた菊池。今季は更なる飛躍を遂げ、最優秀防御率・最多勝の2冠を獲得した。
シーズン途中には投球フォームが二段モーションの規定に抵触すると判断されるという試練にも遭遇したが、現在は見事に克服して年間を通して安定した投球を見せた。
今季は楽天に対して8勝0敗と無類の強さを誇ったが、ソフトバンクには0勝4敗と相性が悪かった。また、今季で8年目となるが、プロ入り以来ソフトバンクから白星を奪えていない。
楽天・美馬学
26試合 171回1/3 11勝8敗 16QS 134奪三振 33四球 防御率3.26 Whip1.10
エースの則本昂大がWBCに出場した影響で自身初、球団史上5人目となる開幕投手となった美馬。今季はシーズン序盤から快調に白星を重ね続け、オールスターにも初出場。
そして、自身31歳の誕生日にあたる9月19日の日本ハム戦で初となる10勝目を無四球完封勝利でマークした。登板数、投球回、勝利数、奪三振数、Whipはキャリアハイを記録しており、飛躍の1年となった。
オリックス・金子千尋
27試合 184回1/3 12勝8敗 17QS 141奪三振 56四球 防御率3.47 Whip1.17
2年連続6回目の開幕投手を務めたエース・金子千尋。今季は開幕から好調で、3・4月度の月間MVPを受賞した。その後はチームの不調と共に白星が伸び悩んだが、8月30日のロッテ戦では自身3年ぶりとなる2桁勝利を達成した。
チームは4位と3年連続のBクラスに沈んでしまったが、金子にとっては復活を印象付けることの出来たシーズンとなった。
日本ハム・有原航平
25試合 169回 10勝13敗 13QS 88奪三振 39四球 防御率4.74 Whip1.38
初となる開幕投手を務めた3年目の有原。今季は開幕から不安定な投球が続き、初勝利は5月6日となった。黒星こそ先行し、リーグ最多敗となる13敗を記録したが、故障者が続出したチームを支え続けた。
9月23日の試合前までは7勝13敗となっていたが、そこから3連勝で2年連続となる10勝に到達した。
ロッテ・涌井秀章
25試合 158回 5勝11敗 13QS 115奪三振 53四球 防御率3.99 Whip1.32
3年連続9回目の開幕投手を務めた涌井。今季は打線の援護に恵まれないことが多く黒星が先行。好投を見せながらも勝敗がつかないことも多く、今季はロッテ移籍後で最低の5勝に留まった。
FAでロッテに加入後は4年連続で規定投球回到達を達成しており、チームに欠かせない投手となっているが、今季に2度目のFA権の取得要件を満たしており、去就に注目が集まっている。