西武VS楽天、互いに持つ勝利への“答え”。ガチンコ対決の行方を占う一戦の記憶【パCSファースト展望】
プロ野球は14日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが始まる。パ・リーグは、最大11ゲーム差を逆転して2位でCSを決めた埼玉西武ライオンズが本拠地メットライフドームに東北楽天ゴールデンイーグルスを迎える。
2017/10/13
シーズン中に様変わりした西武打線
西武打線は、前半戦と後半戦で様変わりした。
リーグ首位打者の1番・秋山翔吾、今年から主将の浅村栄斗が軸であることに変わりはないが、そこに大卒4年目の山川穂高と森友哉、下位打線に外崎修汰が組み込まれている。
その間に、前半戦は4番だった中村剛也や百戦錬磨の栗山巧が構える。2番に源田壮亮、相手によって金子侑司が足を生かしに登場する。
Bクラスに終わった過去3年間の西武と一味違うのは、破壊力のある選手が増えていることだけでなく、そこに足を絡めてきているところだ。それは12球団トップの129盗塁が示している。
盗塁が得点に絡むのではなく、盗塁をするという目に見えないプレッシャーが相手に与えている部分が大きいのだ。
例えば、今は4番を打つ山川が則本から2打席本塁打を放った8月5日の試合。
2打席目で則本のフォークの抜け球を本塁打にした山川は、6回裏2死・1塁で3度目の打席を迎えた。このとき、辻発彦監督は、一塁走者に盗塁のできる水口大地を送った。
山川は前の打席で変化球を運んでおり、この打席のねらいはストレートだ。楽天バッテリーは百も承知なのだが、水口を代走に送ったことで、ストレートを投げざるを得ない状況に追い込んだ。則本は2度のけん制後にストレートを投げ、山川は完璧に捉えて本塁打にした。
西武打線の怖さは、破壊力に加え、そのしたたかさにある。辻監督の細かい野球は、送りバントや盗塁だけではなく、細微に渡って仕掛けがあるのだ。