荒木大輔、ドラフト1位の肖像#1――高校1年、早実に背番号11のエースが誕生した理由
2017/10/24
「調布リトル」で世界一
荒木大輔が最初に憧れた選手は二人の兄だったという。
荒木は1964年5月、東京都調布市で生まれた。父親は工務店を営んでおり、二人の兄がいる。
まず6歳年上の長兄、隆志がリトルリーグ「調布リトル」で日本選手権で優勝、台湾で行われた極東大会に出場している。荒木は両親たちと羽田空港まで見送りに行った。『JAPAN』と書かれた帽子を被った兄の姿が眩しかったという。
「そもそもは飛行機に乗りたかった。親にお兄ちゃんは何で飛行機に乗るのって聞いたら、練習、試合を頑張ったからって。野球を頑張れば、飛行機に乗れるのかって、思ったんです」
この頃はまだ1ドル360円の時代であり、国外旅行は憧れの世界だったのだ。
小学2年生のとき、荒木は兄たちと同じように「調布リトル」に入っている。リトルリーグは9歳からという年齢制限があった。7歳の荒木は練習生として特例を認められたのだ。
「兄貴と一緒に遊びたい、遊んでもらいたかった。そこから始まっているんです」