王者・広島、下克上阻止へキーマンは? DeNA、さらなる躍進へエース攻略がカギ【セCSファイナル展望】
プロ野球は18日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。セ・リーグは、広島東洋カープ対横浜DeNAベイスターズの2年連続同一カード。DeNAの3位からの下克上はあるか。注目の対決だ。
2017/10/18
乱打戦の予感に高まるクローザーの重要度
二つ目のポイントは広島の1番・田中広輔だ。
昨年のファイナルを覚えている人もいるだろう。田中の成績は12打数10安打、出塁率.882。9打席連続出塁を記録する大活躍でシリーズのMVPを獲得した。その勢いは今季も変わらず、DeNA投手陣をカモにしている。
DeNAの投手陣は、開幕投手を務めた石田健大をはじめ、ルーキーながら10勝を挙げた濱口遥大、エース格の今永昇太と左腕がひしめく。中継ぎには田中健二朗や砂田毅樹が控えるが、ほとんど田中を抑えられていない。
広島打線は、4番・鈴木誠也の離脱で、打線は左打者がメーンになりつつある。しかし、田中は左腕ひしめくDeNA投手陣を全く苦にしていないので、打線を分断できないのだ。DeNAバッテリーがどう対策を練るか。
最後のポイントとして挙げたいのがクローザーだ。広島とDeNAの対決は乱打戦になることが多い。マツダスタジアムでの試合はやや落ち着いた感じはあるが、最後の最後まで結末が見えない総力戦となることが予想される。そうなると、最後を締める投手の役割が一層重要となる。
広島は今村猛と中崎翔太、DeNAは山崎康晃が務めることになるだろう。
広島・今村はDeNA戦の防御率が高く、今季2敗を喫している。中崎は抑えてはいるものの点は取られている。一方の山崎は、マツダスタジアムで今季無失点と球場の広さを利用した大胆なピッチングで結果を残している。しかし、チームはファーストステージの疲れもある。山崎につなぐまでにかなり苦労するだろうから、彼に押し寄せる負担も増大するだろう。
ホームの王者広島が有利であるには変わりないが、勝負は最後まで分からない。野球の魅力を最大限に伝えてくれるような大熱戦となる予感が漂う。歴史に残るようなシリーズになることを期待したい。