清宮はプロで活躍できるのか。カギは“逆方向”。高校通算111本、打球方向から見える3年間の着実な進化
プロ野球新人選択会議(ドラフト)が26日に行われる。各球団の指名に注目が集まる中、最大の目玉は高校通算本塁打記録を持つ清宮幸太郎内野手(早実)だ。全111本塁打の方向データから彼の高校3年間での進化を読み解く。
2017/10/19
SPAIA
打球方向に表れる強打者の傾向
高卒でのプロ入りを表明し、大きな注目を集めている清宮幸太郎(早実)。高校日本代表として出場した第28回WBSC U-18ワールドカップ二次リーグのカナダ戦で、高校通算本塁打を111本に更新した。これは高校生としての歴代最多記録だ。
清宮は1999年5月25日生まれの東京都出身。身長184cm、体重101kgという、アスリートとして恵まれた体格は、元ラグビー選手である父・清宮克幸ゆずりだ。
小学3年生の時に野球を始め、リトルリーグに所属。13歳の時には世界選手権に出場し、3本塁打を決めて優勝した。中学3年のシニア時代には全国優勝も経験している。
2015年に早稲田実業高等部に入学するとすぐにスタメンとして抜擢される。夏の甲子園では本塁打を2本記録した。2015年には1年生ながらWBSC U-18ワールドカップ日本代表に選出されている。
将来は王貞治氏の本塁打記録である868本を目指すと意気込む清宮の全本塁打方向データをグラフィックにしてみた。
まず、左打ちの打者であるだけに、ライト方向の打球が多くなっていることがよくわかる。高校通算111本中、ライト方向は69本で割合は62.16%となっている。これは、強打者の傾向でもある。一般的に、早いタイミングで打ちに行く“引っ張り”は引きつけて打つ“流し打ち”よりも強い打球となり、飛距離が出ることでスタンドに届く確率が高くなる。
その一方で、投げ込まれた球を早いタイミングで打ちに行くため、変化球やコースへの対応がしにくくなるため、時間をかけて対応できる流し打ちに比べて三振や凡打、ポップフライになる確率も高くなる。