清宮はプロで活躍できるのか。カギは“逆方向”。高校通算111本、打球方向から見える3年間の着実な進化
プロ野球新人選択会議(ドラフト)が26日に行われる。各球団の指名に注目が集まる中、最大の目玉は高校通算本塁打記録を持つ清宮幸太郎内野手(早実)だ。全111本塁打の方向データから彼の高校3年間での進化を読み解く。
2017/10/19
SPAIA
プロで求められる流し打ちの技術。清宮が3年間で築いた下地
プロの世界でも引っ張り中心の打撃で結果を残している選手は存在するが、やはり確実性を上げるためには流し打ちの技術が求められる。
例えば、ソフトバンクの柳田悠岐やDeNAの筒香嘉智は逆方向にも本塁打を打てる技術があるため、打率も本塁打をリーグ上位に位置する強打者となった。
では、清宮はどのようなタイプとなるのだろうか? 年度別の打球方向を見ると、ある傾向が見えてくる。
まず、1年生だった2015年の打球方向を見ると、全22本中ライト方向に20本、センター方向に0本、レフト方向に2本、割合として9%となっている。この頃は本塁打を放つために引っ張りを意識した打法だったいえる。
次に2年生となる2016年を見ると、本塁打の数が56本と大きく増加している。さらにレフト方向への打球は1本ながら、センター方向に8本、ライト方向には47本、割合は1.78%と極端に右寄りな打球傾向となっている。
これは、高校2年目により本塁打を量産するために引っ張りの意識を高めたためだろう。
そして、3年生となった2017年は過去2年間とは異なる傾向が出ている。本塁打の打球方向を見ると、全33本中ライト方向に23本、センター方向に6本、レフト方向には4本を放っている。割合にすると12.12%と大幅に上昇しており、2015年4月から2016年12月の21ヶ月間で記録した3本というレフト方向への数を2017年1月から9月の9ヶ月間で超えている。
清宮は、将来を見据えて「逆方向にも強い打球を打つ」という意識を高め、それを実現させる技術を習得したといえる。まだプロの試合に出場したわけではないので未知数な部分は多いものの、高校の3年間で着実に下地はできている。