ドラフト目前、大卒候補は95年世代。4年前、高卒で指名を受けた選手たちの今は?
2017/10/24
パ・リーグ
<ソフトバンク>
上林誠知(4位・仙台育英高)
東方伸方(育成2位・浜田商業高)※2017年オフに戦力外通告
曽根海成(育成3位・京都国際高)
リバン・モイネロ(2017年シーズン途中入団)
今季は上林誠知が自身初の規定打席に到達するなど台頭。134試合出場で打率.260(415-108)、13本塁打、51打点、12盗塁、OPS.736という成績を残したが、CSでは結果が残せず途中で1軍登録を抹消され、リーグ制覇が決まる第5戦では涙を流す一面も見せた。来季以降に向けて、この経験が糧となることだろう。
また、今季途中に台頭したモイネロも外国人選手ながら95年世代の1人だ。WBCキューバ代表として活躍を見せた後、育成選手としてソフトバンクに入団後、約1ヶ月で支配下登録を果たし、それからは貴重のリリーフ左腕として台頭、勝ち継投の一角を担うまでに成長した。
今季の3月に支配下登録を果たした曽根は、今季は1軍初出場を果たすと共にフレッシュオールスターでは育成選手出身としては初となるMVPを受賞するなど、飛躍のきっかけを掴んだ1年となった。なお、この年には森唯斗・岡本健・石川柊太なども指名されている。
<楽天>
松井裕樹(1位・桐光学園高)
内田靖人(2位・常総学院高)
古川侑利(4位・有田工業高)
高校No.1左腕と称され、鳴り物入りで楽天に入団した松井。楽天の新人では田中将大(現ヤンキース)以来となる春季キャンプ1軍スタートを果たすと、開幕ローテーション入りを成し遂げる。しかし、1年目は4勝8敗で防御率3.80と黒星が先行し、2年目からは大久保博元監督(当時)がキャム・ミコライオの故障もあり守護神に抜擢。33セーブ、防御率0.87と好成績を残し、この年から守護神として定着。
今季も8月25日までは防御率0.19と驚異的な成績を残し、最終的には52試合に登板し33セーブ、防御率1.20と好成績をマークした。今や、楽天のブルペン陣には欠かさせない存在となるまでに成長を果たした。
ドラ2の内田もイースタン・リーグで本塁打王のタイトルを獲得するなど伸び盛りだ。後は、1軍でも持ち味の長打力を披露するだけの段階にまで至っている。
ドラ4の古川も今季は5試合に先発登板し、10月5日のロッテ戦ではサヨナラ負けこそ喫したが9回途中を3失点で完投し来季に期待が持てる投球を見せた。来季こそは、念願のプロ初勝利を掴みたいところだ。
ドラ9の今野は2015年オフに右ひざの故障で育成契約となったが、今季のオープン戦で好投し支配下復帰へ。4月には1試合に登板したが、3失点と結果を残せず2軍落ちとなった。しかし、2軍では17試合に登板し防御率1.71と好投を見せた。
<西武>
森友哉(1位・大阪桐蔭高)
金子一輝(4位・日大藤沢高)
ルーキーイヤーからパンチのある打撃が光っている森友哉。高校時代には阪神・藤浪晋太郎とバッテリーを組んでいたが、プロ入り後は指名打者での出場がメインに。今季はWBC強化試合のキューバ戦で死球を受けて骨折し、復帰は8月と遅れたが打率.339と打棒健在をアピールした。
また、ドラ4の金子は守備には定評があるが、打撃は今季もイースタン・リーグで打率.205と振るわず。今後の1軍初出場のためにはやはり打撃開眼がカギとなりそうだ。
なお、この年には山川穂高や岡田雅利らが指名されている。
<オリックス>
若月健矢(3位・花咲徳栄高)
園部聡(4位・聖光学院高)
吉田雄人(5位・北照高)
奥浪鏡(6位・創志学園高)※2017年シーズン途中退団
ドラ3の若月は2016年から伊藤光・山崎勝己に代わりスタメン出場の機会を勝ち取ると、2017年には金子千尋と開幕バッテリーを組んだ。送球の安定感はチーム随一で、現在では多くの試合にスタメン出場を果たしている。
園部は故障の影響で2014年オフに育成契約に切り替えられたが、2016年には打撃で結果を残し再び支配下登録されプロ初出場も果たした。
また、吉田雄も今季に開幕1軍入り・プロ初出場を果たしている。本職は外野手ながら、ウエスタン・リーグでは内野手として出場することも多くなっている。
奥浪は2017年の5月に免停中に接触事故という不祥事を起こし謹慎処分に。2016年にはプロ初出場の機会も掴んでいたが、8月には選手契約を解除された。
<日本ハム>
渡邉諒(1位・東海大甲府高)
岸里亮祐(7位・花巻東高)
石川亮(8位・帝京高)
日本ハムが指名した3人はいずれも1軍デビューを果たしているが、いずれも1軍定着には至っていない。イースタン・リーグで渡邉は打率.242、岸里は打率.254、石川は打率.273となっており、今後の1軍定着のためには打撃力強化がカギとなりそうだ。
5位に終わった日本ハムは若手間の競争が激化しており、ドラフト会議後に競争は更に勢いを増すことになるが、この年に指名された3人は持ち味をアピールして来季は1軍定着を果たすことはできるだろうか。
<ロッテ>
二木康太(6位・鹿児島情報高)
肘井竜蔵(育成1位・北条高)
昨季から先発登板の機会を掴み、今季はチームが低迷も勝ち頭となる7勝をマークした二木。自身初となる規定投球回にも到達し、防御率も3.39をマークし成長を遂げた。
肘井は2015年の3月に支配下登録をされ、同年の3月にプロ初出場を果たす。しかし、同年の9月のイースタン・リーグで顔面に死球を受けて2度の修復手術を受ける大怪我を負ったが、今では1軍の試合にも出場するほどの回復を見せた。
今季は1軍で自身2年ぶりとなる安打を放ったが、16試合の出場に留まった。来季は、レギュラーを掴めるよう更にアピールを続けていきたいところだ。