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ソフトバンク、緻密な工藤采配に加わった“達川イズム”。日本一奪回へ、全力プレーにみる「大馬鹿」の真髄

福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズ進出を決めた。2連敗の嫌な流れを断ち切り、日本一への切符をつかんだ指揮官の采配は、今季からチームに加わった達川光男ヘッドコーチの進言が大きく影響しているという。

2017/10/24

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日本一へのキーワードは「大馬鹿」

 2年ぶり日本一のキーワードは「大馬鹿」となりそうだ。
 
 パ・リーグ優勝チームの福岡ソフトバンクホークスがクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで3位の東北楽天ゴールデンイーグルスを4勝2敗(アドバンテージ1勝を含む)で下し、日本シリーズ進出を決めた。
 
 2連敗スタートから2連勝して王手をかけて臨んだ本拠地ヤフオクドームでのCS ファイナルステージ第5
戦。工藤公康監督は、レギュラーシーズン終盤に右わき腹を痛めて戦線離脱に追い込まれていた柳田悠岐外野手を急遽リハビリ組から呼び戻し、1番中堅で先発起用した。
 
 第1打席から内野安打を放って攻撃の起点となり、初回に3点を奪った打線の流れを作るなど4打数2安打1打点。当初は絶望視されていたCSでの復帰を前倒しする形での緊急昇格だったにも関わらず、故障箇所の不安を一掃する活躍でチームをCS突破へ導いた。指揮官の采配がピタリとはまった格好だ。
 
 2連敗を喫してからCSファイナルステージ第3戦が始まる前、チーム練習開始前に工藤監督は選手らが作った円陣で「馬鹿になって野球をやろう」と声をかけた。
 
 その「馬鹿野球」を第3戦で見事に実践してみせたのが、2番中堅で先発起用された城所龍磨外野手だった。
 
 レギュラーシーズンでは3打席しか打席に入っていない選手を、いきなり大勝負に抜擢。3打数2安打で得点シーンを演出し、中堅守備では美技も見せてチームのピンチを救った。そんな苦しい戦いに追い込まれていたチームの流れを変えたのは、投打に渡って城所が見せたハッスルプレーだった。
 
 結果を恐れて深く考え込むことなく、ただひたすらに迷わず全力でプレーする。こうした「馬鹿野球」のスタイルを地で行くことができるのはやはり城所であり、そして柳田だ。

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