ドラフトも苦戦の巨人、12球団最多指名でチーム再構築なるか? その成果を読む【死亡遊戯コラム】
プロ野球のドラフト会議が26日、東京都内で開かれた。読売ジャイアンツは12球団最多となる16人(育成8人を含む)を指名した。今季11年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。ドラフト会議ではチームの雰囲気を変える指名ができたのだろうか。
2017/10/27
育成含む大卒・社会人捕手4名の大量指名
2位岸田行倫(大阪ガス)、3位大城卓三(NTT西日本)と立て続けに上位で社会人捕手を指名。今季のチームの数少ないプラス要素が4年目で自己最多の138試合に出場した28歳の小林誠司、大卒2年目で打率.350、4本塁打の打撃成績を残した宇佐見真吾の正捕手争いだったはずなのに…。
ただ元々、宇佐見は打撃力を生かすために秋季キャンプでの一塁練習が報じられていたし、指名直後に鹿取GMは打撃に定評がある大城の内外野起用も示唆している。
ドラフト3位の社会人捕手からのコンバートといえば、NTT関東から96年3位で日本ハム入りした小笠原道大のケースが思い出される。それらに加え相川亮二、鬼屋敷正人が今季限りで引退し、育成でも大卒捕手2人を指名と3軍制を敷くチームの捕手絶対数を確保する目的もあったのだろう。
それにしても、“慶大のバレンティン”こと六大学リーグ通算21本塁打をマークしている岩見雅紀をあえてスルーしての、上位2人連続の社会人捕手指名は賛否が分かれるところだ。
実際に岸田指名直後に待ってましたと言わんばかりに、次の指名順位の楽天がすかさず岩見を2位指名。梨田監督の満面の笑みがテレビ画面に映し出された。
個人的には小林誠司の奮起にも期待したい。
球団史上最強キャッチャー阿部慎之助と比較され、ようやくレギュラーを獲ったと思ったら、宇佐見という年下の打てる捕手タイプが台頭して、ドラフトでは社会人捕手を2人続けて上位指名。その間にWBCでは世界のコバちゃん旋風を巻き起こした濃いプロ4年間の軌跡。当然、今回のドラフトには「俺じゃダメなのか?」と思うところもあるだろう。
来季の巨人1軍捕手争いに注目だ。