清宮に見る夢。開幕4番・清宮、センター清宮、サード清宮…日本ハム・栗山監督の思惑は?
北海道日本ハムファイターズは26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、7球団競合の末に清宮幸太郎内野手(早稲田実業)との交渉権を獲得した。
2017/10/27
指揮官の判断基準「選手のためになるか否か」
栗山監督が決断を下すために考え方の軸としているものがあるかを尋ねた。
「勝ちたいし、何とかしたいという気持ちはあるけど、僕には“選手のために”という想いが強いんですよね。僕がその選手の親だったら、家族だったらどう思うのかなって本気で考えます。
選手のためになれば、チームのためになると本当に思っているので“これは選手のためになるんですか、ならないんですか”というのを自分に問いかけて、その結果、選手のためになると判断できたら、どんな無茶苦茶なことであっても実行します。
僕が思ったことが正しいのか、正しくないのかではなくて、本当に選手のためになると信じているかどうかかなんですよ。それって分かれるじゃないですか。自分の中で、選手のためになるってストンと落ちた瞬間に“いける”と思えるようになりました」
清宮にはかねてから課題とされているものがある。
それは守備と走塁だ。大事な試合でエラーをすることが多く、走塁面においても全力疾走を怠ることがしばしばある。セ・リーグ優勝球団から「うちのスタイルにはあわない」と言われるほどで、清宮を否定的に見るほとんどの人間の意見は、バッティング以外の部分だ。
しかし、栗山監督の言葉を聞く限りでは、ビジョンを感じずにいられない。
「夢やロマン」という、聞いているこちらの方が恥ずかしくなるような言葉を発する栗山監督の思考なら、何か、またサプライズプランを持っていそうな気がしてならない。
「理想や夢を見る、ロマンを持ち続けることとか、そういうのは必要だと思うんです。現実だけを見ているだけだと、人生、面白くもなんともないじゃないですか。もちろん、現実も受け止めていますけど、スポーツくらい夢を見られないといけないというか…。そういうのは忘れないように意識をしています。
僕は子どものころから野球が大好きで、夢をみさせてもらった。野球にすごく感謝していて、僕自身は何もできないですけど、野球の世界にいて、次の世代の子どもたちが野球にロマンを感じたり、夢をみたりできるようなものでなければいけないと思っています」。
「開幕4番・清宮」「センター清宮」「サード清宮」。果たして、企画屋・栗山英樹は何を考えているのか。指揮官のビッグサプライズが待ち遠しい。