遂に逆襲が始まったDeNA。3連敗からの日本一は過去に3例、そして意外な共通項あり
2017/11/04
19年ぶりに日本シリーズ出場を果たし、3連敗の崖っぷちから2連勝を飾り日本一へ望みをつないだ横浜DeNAベイスターズ。同チームの日本一は1960年、98年の2度のみで、日本シリーズ制覇率は100%。そして、本拠地に戻ってきてからは逆襲を見せており、今度は再び福岡の地でシリーズを戦うことになった。
19年ぶりの日本一を掴みたいDeNAのように、開幕3連敗を喫しながら日本一を成し遂げたのは、1950年から続く日本シリーズ67回の歴史でも58年の西鉄ライオンズ、86年の西武ライオンズ、89年の読売ジャイアンツの3例のみだ。
58年の日本シリーズでは、西鉄と巨人が3年連続で対戦。2年連続で西鉄が日本一となっており、雪辱を晴らしたい巨人はシリーズ開幕3連勝と西鉄を追い詰める。
しかし、西鉄は稲尾和久投手が7試合中6試合に登板(4試合は完投)し、4勝の全てで勝利投手となる大活躍を見せ「神様、仏様、稲尾様」と評された。そして、西鉄は巨人本拠地の後楽園球場で3年連続日本一の栄冠を掴んだ。
86年の日本シリーズでは、第1戦が引き分けに終わり、第2戦からは広島が西武に3連勝。しかし、窮地に追い込まれてから投打がかみ合いだした西武が本拠地の西武球場で1勝の後、広島市民球場で3連勝。日本シリーズ史上唯一となる第8戦で西武は3年ぶりの日本一を掴んだ。また、この年は秋山幸二氏の「バック宙ホームイン」が大きな話題を呼んだ。
89年の日本シリーズは巨人と近鉄が対戦。この年は近鉄が3連勝で巨人を追い詰めたが、3連勝後にお立ち台に上がった加藤哲郎投手の言葉が巨人ナインを発奮させ、そこから4連勝で逆転日本一を飾った。なお、この巨人も本拠地で迎えた東京ドーム戦から連勝が始まり、最後はビジターの藤井寺球場で日本一となった。
この3例に共通しているのは、いずれも本拠地で逆襲の口火を切り、勢いそのままに相手本拠地でも連勝して日本一の座を掴み取っていることだ。
今回のDeNAはどうだろうか。敵地・ヤフオクドームでの開幕後は3連敗でシリーズ敗退の窮地に追い込まれたが、本拠地開催の第4戦ではルーキー・濱口が快投を披露し勝利。第5戦ではバンデンハーク・モイネロを攻略し、投手陣も粘投を見せて接戦を制し2連勝。
そして、過去の3例と同じように、連勝している状態で敵地に乗り込むことになった。チームも本拠地での戦いを経て勢いを取り戻しており、逆襲に向けての準備は万全だ。
パ・リーグ覇者・ソフトバンクは強敵だが、第4戦から本来の調子を取り戻したDeNA。果たして、2010年のロッテのような”下剋上”を見せることはできるだろうか。