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DeNAがソフトバンクと互角に渡り合えた理由。“前を向け”選手変えた指揮官の姿勢

福岡ソフトバンクホークスの日本一で幕を閉じた2017年シーズン。日本シリーズは、横浜DeNAベイスターズが圧倒的不利という下馬評を覆し、接戦を演じた。パ・リーグ王者と互角に渡り合えた理由はどこにあるのか。

2017/11/08

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“前を向け”、指揮官が送る強烈なメッセージ

 大敗した第1戦。相手先発の千賀に対して、DeNA打線がストライクを見逃したのはたった9球だった。特にロペス、宮崎、梶谷、倉本は積極的で、彼ららしい姿勢は見せていた。
 
 結果云々ではなく、アグレッシブなアプローチをすることで、彼らは常に前を向くことができていた。
 
 そして第4戦、ルーキー濱口遥大の好投で快勝したところから、いい流れへと変わっていったのだ。
 
 第5戦にシリーズ初本塁打を放ち、2安打3打点の活躍を見せた筒香は「監督がどんなときにも焦らないです。CSだろうが、日本シリーズであろうが全くぶれないので、選手は動揺することもないですし、いつもどおりにプレーできる」と語る。
 
 プロ野球選手会の今年5月の発表によると、今季の支配下登録選手の平均年俸は首位がソフトバンクでDeNAは最下位なのだそうだ。
 
 年俸が実力を物語るとは限らないものの、これまでの実績を表すものであるのは事実だろう。実際、日本シリーズの経験値だけをとっても、ロペス、田中浩康を除く全員が初出場のDeNAとでは実力差に開きがあったのは間違いない。
 
 それでも第2戦以降から第6戦までが接戦だったように、両者にはほとんど差がないと思えるほどにまでその差を縮めた。
 
 「負けはしましたが、1年を通して得るものがあった。堂々とメインのドアから入って、入って来たドアから出て行けばいい。下を向く必要はない。選手たちを誇りに思います」
 
 ラミレス監督は胸を張る。
 
 日本人には実績や肩書だけで、早々に諦めてしまう性質がある。相手が大エースだと「負けて当然」とあきらめたような空気が漂ってしまうゲームもいくつかみた。
 
 シリーズ第1戦の大差はそう思わせるような試合だったが、DeNAは立ち向かうことを恐れなかった。
 
 どれほどの実力差も、アグレッシブな姿勢を持つことでその差は埋められる。
  
 “日本人よ、前を向け”。
 
 ラミレス監督が目指したアグレッシブなスタイルは、日本野球界へ強烈なメッセージを残した。

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