「宝物を得た」。DeNA今永にメジャー熱視線、スカウトが惚れ込んだ若き侍ジャパンエース候補
「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(11月16~19日・東京ドーム)を全勝優勝という最高の形で終えた稲葉篤紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」。若い代表メンバーの中で日米両球界の株を上げたのが横浜DeNAベイスターズの今永昇太投手だ。
2017/11/22
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飛躍の年となったプロ2年目
プロ2年目はレギュラーシーズンでチーム勝ち頭の11勝を飾った。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第4戦では広島東洋カープを相手にプロ初の中継ぎ登板で7回から2イニングをパーフェクトに抑え込んだ。
日本シリーズでも第2戦と第6戦に先発してパ・リーグ王者の福岡ソフトバンクホークスの強力打線からいずれも2ケタ奪三振をマーク。飛躍の年となった。
177センチ、80キロ。飛び抜けて体が大きいわけではないものの落ち着き払ったポーカーフェイスを常に貫き、力強く腕を振る投球スタイルは打者に威圧感を与える。そしてピンチを切り抜けた際にマウンド上で一瞬だけ咆哮する姿には人一倍のハートの強さも感じさせる。ファンや味方にとっては実に頼もしい。
アレックス・ラミレス監督はポストシーズンと侍ジャパンでの奮投を見終え、早くも今永を来季の開幕投手有力候補に任命したと聞くが、これに異論を挟む人は少ないはずだ。
来季の開幕投手だけではない。2020年の東京五輪でも大一番での強さを見込まれ、稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンのエース候補として期待が集まっている。その頃にはメジャーリーグも今永を「即戦力」として見なすようになり、ベイスターズにポスティングシステムによる海外移籍を促すほどの域に達しているかもしれない。
いずれにしても、今季の今永はジャンプアップにつなげるための礎を築いた。来季はさらなる飛躍のためマウンドで“快投乱麻”の投球を見せ、チームをリーグV、そして日本一へと導いてほしい。
そうなればスタンドから今永に密着マークを続けているであろうメジャーリーグのスカウト陣たちも、順当に評価を高めていくはずだ。