ゲレーロは「守銭奴」にあらず? 超破格な1.5億円、“ドジャース頼り”中日の姿勢に問題点も
今季、中日ドラゴンズでプレーして本塁打王を獲得したアレックス・ゲレーロだが、残留交渉が難航して退団が濃厚となっている。一部では、高額な年俸を要求したと報じられたが、実際にはドジャースを絡めた今季の契約内容が問題となっていた。
2017/12/03
■中日が有望株を超安価で獲得できた背景
本来、ゲレーロはメジャーリーグでも将来を嘱望される打者で、ドジャースの補償がなければ1億5000万円での獲得は不可能だった。しかし、中日は1年のみであれば年俸の負担を低く抑えられることから、メジャーの元有望株と契約合意に至ったようだ。
本塁打王のタイトルを獲得して評価額通りの実力を示したゲレーロは、ドジャースからの補償が終了する今オフには5億円前後の年俸と複数年契約を希望したと伝えられている。
しかし、年俸の一部のみを負担する中日サイドにとっては、ゲレーロの要求は「高すぎる」となる。その結果、両者の提示額に隔たりが生じて残留交渉が難航したようだ。
確かに、「単年1億5000万円から5億円前後の複数年」となれば、大幅な条件アップという印象を受ける。しかし、実際には5億円前後の複数年が「前回と同等の条件」だったとなればどうだろうか?
ゲレーロ側からすれば、NPBでも結果を残したことから本来の適正な条件を要求しているに過ぎない。本塁打王を獲得しながら大幅な条件ダウンを飲むことは難しいと考えるのは当然と言える。
残留交渉の難航からゲレーロには”守銭奴”のイメージがつきがちとなっているが、どちらかといえば、ドジャースの補償に頼って破格の低年俸でゲレーロを獲得し、今オフに年俸が大きく跳ね上がることを予見できていなかった中日側の見通しが甘かったことの方が問題と言える。
中日の保留者名簿から外れれば契約満了で自由契約となり、どの球団とも交渉が可能となるため、ゲレーロは中日よりも好条件を提示する球団へ移籍する可能性が高くなっている。日本野球への適応力、そして長打力は魅力的なだけに、獲得を望む球団があっても不思議ではない。