巨人、波紋広がる高木勇人のプロテクト漏れ。目指すべき“育成と若返り”の逆行か
読売ジャイアンツは18日、フリーエージェント(FA)権を行使して移籍した野上亮磨投手の人的補償として、埼玉西武ライオンズが高木勇人投手を獲得したと発表した。
2017/12/19
所属選手の不安招く高木勇の移籍
獲得した野上が高木勇よりも2歳上である点を見ても、同じくチームが今後目指そうとしているはずの「若返り」とは逆行する。
あくまでもプラス思考を貫くG党の人たちからは「そんな指摘は“たられば”だ」「それならば、不安定な高木勇を残して来季以降に必ず大化けする保障があるとでも言うのか」などといった反論が出るかもしれない。そういう見方も、もちろんあるだろう。
ただし一軍で新人の時に先発ローテーションに組み込まれ、ある程度の実績を残したにも関わらず次の2シーズンで伸び悩んだからといって入団3年後にスパッとプロテクトから外されてしまうケースはやっぱり「珍しい」と言わざるを得ない。
巨人からプロテクトされた所属選手のバランスが分からないので余り強くは言いづらいものの、少なくとも高木勇に関してはもう少し辛抱しても良かったのではないだろうか。きっと「いくら一軍で頑張ったとしても、この球団は少しスランプになるとこうも簡単に見切られてしまうんだな」という不安を抱いた巨人の若い選手も1人や2人ではないだろう。
ネット上でも人的補償による高木勇の西武移籍は大きな波紋を広げている。果たして巨人にとって野上を獲得し、高木勇を事実上放出した判断は正しかったのか。
その答えは来季が始まってみないと分からないが、性格的に難があるともっぱらの大砲アレックス・ゲレーロ内野手(前中日ドラゴンズ)を獲得したことも含め今オフの巨人の補強は「万々歳」と言い切れない話題ばかりであるのが気がかりだ。