DeNAはなぜ大和を獲得したか? 優勝の最終課題「バント」。ラミレス監督が語る打撃論【インタビュー】
横浜DeNAベイスターズは、選手の総年俸が12球団中最少という規模ながら、日本シリーズ進出を果たした。とはいえ、タイトルを獲得できなかったのも事実。98年以来のタイトル奪取を目指す来季へ、阪神タイガースから大和をFA市場で獲得した。戦力補強の狙いはどこにあるのか。アレックス・ラミレス監督が語った。
2017/12/21
9番で生かされた倉本の勝負強さ
5月4日、巨人対DeNA6回戦、ラミレス監督は9番に遊撃手の倉本寿彦を据えるオーダーを提出した。DH制ではないセ・リーグにおいて、投手ではなく野手を9番に据えるオーダーは多くの話題を呼んだ。
「多くの人は、その時に倉本の調子が良くなかったので、2~3日だけ9番に置いて、すぐに6番や7番に戻すだろうと考えていたと思う。しかし、倉本という打者は非常に得点圏に強く、(左打者ながら)左投手でも得点圏打率.300以上を打っている。9番に置くことで、8番を投手、7番に足の速い梶谷を置く。梶谷が塁に出ると、投手がバント、得点圏に強い倉本という形になって、9番に置いてから実際に数字がどんどん上がってきた。9番に置くことによってバントをする必要がないし、おもいきり打ってくれと。『チャンスが来たらお前に託したぞ』というところで非常に結果を出してくれた。そこで落ち着いたと思う」
“影のポイントゲッター”。倉本の得点圏打率の高さという武器を生かすための打順組み換えだったことを明かしたラミレス監督は、さらにこのように続けた。
「倉本は、2016年には6番を打つことが多かった。もちろんその時も得点圏打率.300以上を打っていたが、クリーンアップのロペス、筒香、宮崎は梶谷に比べると足は速いほうではない。6番で倉本がヒットを打ってもなかなか還せなかった。9番に置き、足の速い梶谷に7番を打たせることで、得点圏打率の高さが有効に働いたと思う。9番ショートで50打点以上、得点圏打率.340以上という非常に素晴らしい数字を残してくれた」