DeNAはなぜ大和を獲得したか? 優勝の最終課題「バント」。ラミレス監督が語る打撃論【インタビュー】
横浜DeNAベイスターズは、選手の総年俸が12球団中最少という規模ながら、日本シリーズ進出を果たした。とはいえ、タイトルを獲得できなかったのも事実。98年以来のタイトル奪取を目指す来季へ、阪神タイガースから大和をFA市場で獲得した。戦力補強の狙いはどこにあるのか。アレックス・ラミレス監督が語った。
2017/12/21
苦肉の策だったOPS.700超え
長いプロ野球の歴史の中で、1番から9番まで据える打者のタイプに関して、ある程度の“常識”が根付いていた。近年では2番に打力の高い選手を置くパターンも増えつつあるが、ラミレス監督は独自の視点で打線を捉えている。それは、シーズン当初は2番に据えていた梶谷隆幸を7番に配置転換した理由にも繋がってくる。
「1番から9番の全体を考えたときに、7番に足の速い梶谷を置くと9番で返せる。その時、筒香が3番を打っていたので、その時だと2番にバントができる選手を置く。1番から3番で初回に得点機を作って、さらに3回でもう一度、7番から同じような攻撃ができるということを考えていたんだ」
この結果、チームの本塁打数は2016年の140本から134本に減少しながらも、総得点数では572点から597点と増加した。それでも、セ・リーグそして日本シリーズとタイトル獲得には至らなかった。
「バントだね。バントと盗塁になってくると思う。スモールベースボールというところをしっかりやっていかないと優勝は難しい。スモールベースボール的なところは確実に向上しなければいけないと思う」
来季、タイトルを獲得するための最重要課題に「バントと盗塁」を掲げた。実際、今季はOPSで広島に次ぐリーグ2位の.702を記録した一方で、バントの84、盗塁の39はリーグ最少。バントに関しては12球団中最も少ない数字だった。
「バントに関しては想定していたよりも、何人かの選手の成功率が上がらなかった。そのため、なかなかバントのサインが出しづらいところがあった。特に、9番・倉本、1番・桑原の後にバントが出来る選手がいなかったのでバントのサインがなかなか出せず、打たせていくというパターンが多くなった」