明暗を分けた明確な差。昨季Aクラス、日本ハムとロッテはなぜ低迷したのか…2017パ総括【小宮山悟の眼】
まもなく1年が終わろうとしている。今年もたくさんのことがあったシーズンだったが、今季の両リーグを総括してみたい。今回はパ・リーグだ。
2017/12/26
投手陣がしっかり働いた上位チーム
上位チームはエース級の投手陣がしっかりと働いた。
東北楽天ゴールデンイーグルスがいい例だが、則本昂大、岸孝之のWエースがしっかりと機能した。FAで獲得した岸が入ることによって、大きく連敗することがなくなるというのはシーズン前から予想がついた。則本が期待通りに15勝を挙げてくれることを想定して、対戦カード3連戦のどちらかに2人が先発することで大きな連敗にならない。上手くいけば、大きな連勝する可能性までみえる。もともとラインアップは計算できていたので、この2枚が入るだけで大きく違う。楽天のような戦力補強が正しいというのが分かったのではないか。
埼玉西武ライオンズは菊池雄星の奮闘に尽きる。
今まで岸がいたから、自分はエースではないという感覚でいた分、それが彼にとっては自覚が足りないといえる状態になっていた。それが横にいるはずの投手がいなくなった途端、自分しかいないという自覚が芽生えた。もともとずば抜けた能力を持っていた投手だったから、岸が抜けたことでようやく本領を発揮したということだ。
菊池がすばらしかったのは、投げているストレートの強さやスライダーのキレはもちろんだが、シーズン中に2段モーションを指摘されながら、それをも乗り越えたことだ。臨機応変に対応できる力も備わったということは、一人の投手として大きくなったことの証だ。
キャリアを積むことによって、投手としてのレベルが上がってきている。さらに目の前に立ちふさがるような壁があっても、それを打ち破って先に進めるような力がある。日本球界の中で5本の指に入る投手に成長したと太鼓判を押せる。来年は、アメリカに行く準備をする年といってもいい。西武が彼をどう扱っていくかは分からないが、彼自身は、少しわがままをいって、中4日で回してくれとお願いしてもいいのかなと思う。