いま最も楽しみな男、鈴木誠也。掴みかけた一流への感覚。2018年は新たなる覚醒へ
広島東洋カープ・鈴木誠也外野手は、今季序盤から4番を任され、8月に右足首を骨折するまで115試合に出場して打率.300、26本塁打、90打点とリーグ連覇に貢献した。ケガからの復帰を目指す鈴木は、来季どんな活躍を見せてくれるのか。
2017/12/28
ゼロからのスタート、新しいバッティングを作る
ならば、けがをしたとはいえ、来年に大いに期待できると思ってしまうのだが、鈴木はかぶりを振った。
「もうゼロからのスタートです。もう一度、DeNA戦と同じ感覚をつかもうとは思わないです。けがをしてしまったので、足の感覚は必ず変わりますから。けがが治って、その時の足の感覚でまた新しいバッティングを作っていきたいなと思っています」
復帰や復活ではなく、新たなる覚醒――。
2018年の鈴木が目指すのは新しい姿だ。求道者の道を行く、鈴木だからこその言葉といえるかもしれない。
WBC、4番、そして、けがによる離脱。2017年に様々な経験を経た鈴木は復活へ向けて新たな気持ちが芽生えているという。
「けがをして、病院で出会った子どもたちやおじいちゃん、おばあちゃんに勇気をもらったんです。出会った人たちはつらい想いをして、僕なんかよりもやりたいことができないのにリハビリを頑張っていた。4番で打てない時期に色々考えたりしましたけど、僕はなんて幸せなことで悩んでいたんだろうと。リハビリを頑張れたのもその人たちのおかげもあったので、一緒にリハビリやっていた人たちにもっと頑張ろうって思ってもらえるように頑張って結果を出したい。僕は今まで4番タイプではないと思っていたので好いてはなかったんですけど、こういうけがもあって、ああいう風に応援してもらっているので、“4番”で活躍する姿を見せたい」。
新しい自分を探すための彼の試行錯誤はこれから始まる。「けががなければ、人として終わっていた」と話してという報道もあるが、いかにも鈴木らしい物事のとらえ方であろう。
2018年はどんなプレイヤーになっているのか。鈴木誠也の帰還を心底、楽しみに待ちたいと思う。