グラブ投げつけ、インフィールドフライを落球…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月28日配信分、再掲載)
2020/03/31
Getty Images
正解は…
B:3つの安全進塁権が与えられ、試合はインプレーで続く。
2008年5月4日のロッテ対西武戦で実際に起きたプレー。当事者はロッテの二塁手ホセ・オーティズ。5回表、栗山巧が放った一、二塁間の打球に追いつけなかったオーティズは、外野手のベニー・アグバヤニが捕る前に、グラブを上から投げつけてしまった。そして、そのグラブにボールが当たって止まった。
公認野球規則7.05「次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができる」の(C)に以下のような記述がある。
「3個の塁が与えられる場合――野手が、グラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合。この際はボールインプレーであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい」
オーティズの行為は、ここに該当する。打者走者は三塁まで進むことは確定だが、さらにチャンスがあれば、本塁を狙ってもいいと書かれている。つまり、ボールデッドでなく、インプレーとなる。
では、投げつけたグラブがボールに当たらなかった場合はどうなるのか。これは、7.05の【bcde 原注】という項に記されている。
「投げたグラブ、本来の位置から離した帽子、マスクその他がボールに触れなければ、このペナルティは適用されない」
グラブに打球が当たるかどうかが、ペナルティ適用の基準となる。