2死でボールをスタンドに、打球が審判直撃…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月29日配信分、再掲載)
2020/04/01
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正解は…
A:球審の妨害となり、一塁走者の盗塁は取り消し。
「妨害」と聞くと、攻撃側のチームに発生するペナルティのようだが、それだけでなく攻撃側・守備側・審判員・観衆の種類の妨害が存在する。
2003年6月12日、甲子園球場で行われたウエスタンリーグの阪神対広島で珍しいプレーが起こった。
3回裏2アウト一塁の場面で、一塁走者のブルックス・コンラッドが二塁にスート。広島の捕手・白濱裕太が送球しようとしたところ、右腕が球審に当たってしまい、二塁への送球が逸れてしまった。
このような場合、どのような判定になるのか。根拠となるのが公認野球規則2.44(c)(1)と5.09(b)である。
2.44(c)(1)「審判員の妨害――(1)盗塁を阻止しようとしたり、塁上の走者をアウトにしようとする捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合」
5.09「次の場合にはボールデッドとなり、走者は1個の進塁が許されるか、または帰塁する。その間に走者はアウトにされることはない」。(b)「球審が、盗塁を阻止しようとしたり、塁上の走者をアウトにしようとする捕手の送球動作を妨害(インターフェア)した場合――各走者は戻る」
以上2つの規則から、球審の捕手に対する守備妨害が適用され、一塁走者のコンラッドは一塁に戻されることになった。なお、白濱の送球がアウトであれば、守備妨害は適用されずに、アウトはそのまま有効となる。