ボールボーイがまさかの…、二塁へ激烈スライディング…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月30日配信分、再掲載)
2020/04/02
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正解は…
B:打者走者の守備妨害とみなされ、アウト。1死一塁で再開。
野球場には必ずスリーフットラインが引かれている。本塁と一塁間の中間地点から一塁方向へ、一塁ラインと平行に描かれているラインで、長さは3フィート(約14.6メートル)、一塁ラインとの距離は3フィート(約91.4センチ)。スリーフットラインとファイルラインとで囲まれた区域を「スリーフットレーン」という。
この前提は頭に入れたうえで、公認野球規則6.05「打者は、次の場合、アウトとなる」の(k)項を見てみよう。前半部分を抜粋する。
「一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るに際して、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判員が認めた場合。この際は、ボールデッドとなる」
そして、【原注】には「スリーフットレーンを示すラインはそのレーンの一部であり、打者走者は両足をスリーフットレーンの中もしくはスリーフットレーンのライン上に置かなければならない」
走者は公認野球規則2.44(a)項の【原注】に「打者走者が一塁に到達しないうちに妨害が発生したときは、すべての走者は投手の投球当時占有していた塁に戻らなければならない」と書かれているとおり、一塁へ戻される。
2009年8月2日、ロッテ対楽天。3回裏無死一塁から田中雅彦がバントを転がし、一塁へ走る際、ファウルラインの内側を走っていた。そして、楽天の投手・長谷部康平の送球が田中の体に当たり、田中は守備妨害を取られてしまった。