遊直を落として併殺狙い…、グラブごと一塁へ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月31日配信分、再掲載)
2020/04/03
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正解は…
B:「完全捕球」とは認められず、セーフ。
2012年10月18日、東京ドームで開催されたセ・リーグクライマックスシリーズ、ファイナルステージ、巨人対中日の第2戦で起きたプレー。
巨人のマウンドはデニス・ホールトン。1回表、先頭の大島洋平が投手へのゴロを打った。難なくさばいたホールトンは一塁へ投げようとしたが、ボールがグラブにはさまってしまい抜けず。何とかしようと、一塁ベース方向へ走りながら、グラブを一塁手にトスした。タイミングは完全にアウトも、塁審の判定はセーフ。なぜ、アウトにならなかったのか。
公認野球規則2.15に「キャッチ」(捕球)の項目がある。捕球するとはどういうことなのか、言葉として定義づけられている。
「野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は、捕球とはならない」
このとき、一塁を守っていたのは亀井義行だった。リプレーで見ると、左脇で挟んで、抱え込んでいるように見える。これでは、完全捕球とは言えない。
2013年7月24日、ヤクルト対阪神でヤクルトの投手・八木亮祐と一塁手の畠山和洋が、同じプレーでアウトを取った。八木がボールのはまったグラブを投げると、畠山はグラブの中のボールを右手でつかむように捕ったのだ。これであれば「捕球」として認められる。