遊直を落として併殺狙い…、グラブごと一塁へ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月31日配信分、再掲載)
2020/04/03
Getty Images
正解は…
C:ボールがスタンドに入ったのでホームラン。
俗に「アシストホームラン」とも呼ばれるプレー。外野手のグラブに当たって、そのままフェア地域のスタンドへ。外野手にとっては一番経験したくないプレーかもしれない。
公認野球規則6.09「次の場合、打者は走者となる」を見てみよう。(h)項が、問題のプレーに該当する。
「フェア飛球が野手に触れて進路が変わり、(1)ファウル地域のスタンドに入るか、またはファウル地域のフェンスを越えた場合――打者に二塁が与えられる。(2)フェア地域のスタンドに入るか、 またはフェア地域のフェンスを越えた場合――打者に本塁が与えられる」
1994年10月26日、西武球場で行われた巨人対西武の日本シリーズ第4戦でアシストホームランが生まれた。場面は、5回表1アウト一塁で打席には巨人・松井秀喜。西武の3番手・橋本武広のスライダーを芯でとらえた飛球は、ライトフェンスギリギリのところへ飛んでいった。
これを西武の右翼手・大塚光二がフェンスに足をかけ、左手を目いっぱい伸ばして捕りにいくも、無情にもグラブに当たってライトスタンドにポトリと落ちた。判定は公認野球規則6. 09(h)(1)が採用され、ホームランとなった。
なかなかありえないプレーだが、ライン際のフェア地域の飛球をグラブに当てて、そのボールがファウル地域のスタンドに入った場合は二塁打となる。グラブに当たった打球が、フェア地域か ファウル地域のスタンドに入るかで判定が変わってくるのだ。
『名珍場面から振り返る野球のルール』Amazonなどで発売中です!