高校球児が本塁タックル…、ベースコーチが入れ替わり…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月2日配信分、再掲載)
2020/04/04
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正解は…
A:ベースコーチの肉体的援助となり、走者がアウトになる。
2012年8月17日に行われたオリックス対ソフトバンク、6回表、ソフトバンクの攻撃で三塁ベースコーチの「肉体的援助」があった。
6回表2アウト一、二塁のチャンスで本多雄一の打球はレフト前へのヒット。二塁走者の柳田悠岐が三塁を回り、本塁を狙おうとするも、三塁ベースコーチ・井出竜也コーチの判断はストップ。三本間に飛び出して静止しようとした際に、柳田の体が井出コーチに接触してしまった。このあとすぐに柳田は三塁に戻ったが、三塁塁審から肉体的援助と宣告され、走者の柳田がアウトとなった。
公認野球規則7.09「次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる」の(h)項に、このような記述がある。
「三塁または一塁のベースコーチが、走者に触れるか、または支えるかして、走者の三塁または一塁への帰塁、あるいはそれらの離塁を、肉体的に援助したと審判員が認めた場合」
つまり、ベースコーチが自らの体を使って、走者の判断を助けることは禁止されている。
なお、同じく7.09(i)項には次の説明もある。
「走者三塁のとき、ベースコーチが自己のボックスを離れて、なんらかの動作で野手の送球を誘致した場合」
ジェスチャーや声などで、野手の守備を惑わせたときも走者がアウトになる。