高校球児が本塁タックル…、ベースコーチが入れ替わり…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月2日配信分、再掲載)
2020/04/04
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正解は…
A:全く問題ない。
2012年5月27日に行われたセ・パ交流戦。中日対ソフトバンクの試合途中に一塁ベースコーチの上田佳範コーチと、三塁ベースコーチの渡辺博幸コーチが入れ替わるという珍しいことがあった。 3回裏1アウト一、三塁から中日の和田一浩がレフトへの二塁打。一塁走者を三塁で止めたことに対して、高木守道監督が三塁ベースコーチの判断がよくないと感じ、入れ替わりを決めたようだ。
ソフトバンクのレフトは守備に難があるウィリー・モー・ペーニャ。それを考えれば、回してもいいという判断だったのだろう。
ルール上は問題ない。ただし、ベンチにいるコーチが新たにベースコーチとして立つことは認められていない。
公認野球規則4.05にはベースコーチに関する規則が書かれている。
「(a)攻撃側チームは、攻撃期間中、2人のベースコーチ――1人は一塁近く、他は三塁近く――を所定の位置につかせなければならない」
「(b)ベースコーチは、各チーム特に指定された2人に限られ、次のことを守らなければならない」
【注1】も確認しよう。「監督が指定されたコーチに代わって、ベースコーチになることはさしつかえない」
プロ野球に関してのみ定められた規則で、試合前のメンバー交換時には2人のベースコーチも記載している。【注1】にある通り、監督だけはベースコーチに立つことができる。
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