サヨナラ弾後に負傷…、「逆走」で塁踏まず…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月3日配信分、再掲載)
2020/04/06
Getty Images
正解は…
A:三塁手との接触が走塁妨害とみなされ、セーフとなる。
2013年10月26日、MLBワールドシリーズ第3戦、カージナルス対レッドソックス。同点で迎えたレッドソックスの守り。9回裏1アウト二、三塁、セカンドゴロでホームに突っ込んできた三塁走者をアウトにしたあと、問題のプレーが生まれた。
送球間に三塁を狙ったカージナルスの二塁走者アレン・クレイグを見て、レッドソックスの捕手ジャロッド・サルタラマッキアが三塁へ送球。この送球が逸れたため、三塁手のウィル・ミドルブルックスは飛びついて捕りにいったが、送球はレフトへ。クレイグが本塁を狙おうとした際に、倒れていたミドルブルックスにつまずいてしまった。
公認野球規則2.51「オブストラクション」(走塁妨害)の項には「野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の走塁を妨げる行為である」と書かれている。ミドルブルックスはこの状態であることがわかる。
また、この状況では7.06(b)項が適用される。
「(前略)審判員はプレーが終了したのを見届けた後に、初めて“タイム”を宣告し、必要とあれば、その判断で走塁妨害によってうけた走者の不利益を取り除くように適宜な処置をとる」
試合後、審判員は「野手がボールを捕ろうという動きではない状況で走者の進塁を妨害すると走塁妨害。故意であろうがなかろうが、関係のないこと」と説明した。
『名珍場面から振り返る野球のルール』Amazonなどで発売中です!