投球4回で勝利投手に? 「自責点」って…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月5日配信分、再掲載)
2020/04/08
Getty Images
正解は…
C:捕手の落球がなければ3アウトチェンジ。以降の失点は自責点とならない。自責点は1。
2012年5月8日に行われた巨人対DeNAは、9回表2アウトから波乱があった。
3点ビハインドで迎えたDeNAがリリーフの西村健太朗から1点を返し、なおも2アウト二塁。ここで、中村紀洋がストレートに差し込まれ、捕手へのフライを打ち上げてしまったが、 巨人の捕手・阿部慎之助がまさかの落球。スタートを切っていた二塁走者はホームインし、続く吉村裕基にもタイムリーが飛び出し同点に。規定により9回7対7の引き分けとなった。
西村の自責点(文字通り「自らの責任による失点」)は何点だろうか。
正解は1点。はじめに浴びたタイムリーだけが自らの責任となる。阿部の落球(記録は失策)がなければ、3アウトチェンジとなっていた。落球以降の失点は、いくら失っても、自責点にはならない。
公認野球規則10.16(a)項を確認してみよう。
「(a)自責点は、安打、犠牲バント、犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四球(故意四球も含む)、死球、ボーク、暴投(第3ストライクのときに暴投して打者を一塁に生かした場合も含む)により、 走者が得点するたびごとに記録される。ただし、守備側が相手チームのプレーヤーを3人アウトにできる守備機会をつかむ前に、前記の条件をそなえた得点が記録された場合に限られる」
「ただし」以降がポイントとなる。3人アウトにできる守備機会をつかむ前に記録した得点でなければ、自責点とはならない。