投球4回で勝利投手に? 「自責点」って…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月5日配信分、再掲載)
2020/04/08
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正解は…
C:試合は7回を終えているので7対7で成立。没収試合で先攻の勝ちとなる。
2011年夏の広島県大会1回戦、広島井口対広島工大高でアクシデントが起きた。試合途中から両チームの選手が熱中症でダウンし、スタメンで出場していた選手が交代を余儀なくされた。
そして、7対7の同点で延長に突入すると、13回表の守りを0点で抑えた広島工大高の二塁手がベンチに戻れず、ベンチ手前でうずくまってしまった。この時点で全ての控え選手を使い切っていたため、交代できる選手がいない状況に。13回裏、広島工大高の攻撃が無得点に終わると、14回表の守りに9人の選手がつくことができず、没収試合が宣告された。
当然のことながら、野球は9人でやるスポーツである。公認野球規則4.17には「一方のチームが競技場に9人のプレーヤーを位置させることができなくなるか、またはこれを拒否した場合、その試合はフォーフィッテッドゲームとなって相手チームの勝ちとなる」と書いてある。
では、フォーフィッテッドゲームとは何か。公認野球規則2.31を見てみよう。
「フォーフィッテッドゲーム(没収試合)――規則違反のために、球審が試合終了を宣告して、9対 0で過失のないチームに勝ちを与える試合である」
これは試合が成立しなかった場合の話である。高校野球でいえば、試合が成立するのは7回終了時(NPBでは5回終了時)。後攻チームがリードしていれば、7回表を終えた時点で正式試合となる。
この広島県大会は「広島井口7対7広島工大高(延長13回終了、没収試合で広島井口の勝ち)」といった表記で新聞等には掲載されていて、投打の記録も全て残る。
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