地下アイドルが語る、ベイスターズ愛 横浜スタジアムのファンの熱さに感動【音楽と野球 仮面女子・黒木ひなこさんインタビュー1】
『野球を〝エンターテインメント〟としても楽しめるものに――』。ベースボールチャンネルが掲げるテーマのひとつだ。今回は秋葉原を拠点に活動する最強の地下アイドル『仮面女子』のメンバー、黒木ひなこさんが大好きなベイスターズについて語ってくれた。野球とアイドル。一見まったく別の世界。しかし会話が進むにつれ、日々レッスンやライブを行い、アイドルとして高みをめざす彼女と、常勝球団へ踏み出そうとしているベイスターズの姿が重なって見えてきた。
2015/03/22
魚住貴弘
ファンになったきっかけは横浜スタジアムでビールの売り子をやったこと
――黒木さんは、生まれも育ちも横浜なんですね。
はい。今も横浜に住んでいます。でも、それが理由でベイスターズのファンになったわけではないんです。16歳(高校1年生)の時に1シーズン、アルバイトで横浜スタジアムのビールの売り子をやっていたんですよ。それがきっかけで、野球やチームに興味を持つようになりました。最初は売ることで精いっぱいだったんですけど、少し慣れてくると、ファンの方が応援歌を歌ったり、一生懸命に声援を送ったりしているのが、よく聞こえるようになってきて、『野球観戦って、すごいぞ! なんだこれ!』って。そういった熱さに感動して魅かれていきました。売り子をしている時は、試合を見ることはできないけど、家に帰ってからニュースを見たり、録画していた試合を見たりして、『ああ、こういう展開だったんだ』『だから、あの時球場が沸いたんだ』って、だんだん野球の面白さがわかるようになってきたんです。
――それまで横浜スタジアムで観戦したことはありましたか?
なかったですね。両親とも野球に興味がなかったし、私もルールとかあまり知らなくて。中学の授業でソフトボールをやったことはあったので、少しはわかるかな?というくらいでした。球場に足を踏み入れたのも初めてだったので、その広さにびっくりしました。
――初めてスタジアムに行ったのが売り子さんとしてだったんですね。それも意外ですが、黒木さんがビールの樽を背負っていたとは! 重いでしょう!?
すごく重いですよ(笑)。階段を上ったり下ったりの繰り返しなので、筋肉もつきました。階段の下から『ビールいかがですか?』と言うよりも、上に行って『いかがですか?』と聞いたほうが皆さん買ってくださいますし。もちろん大きな声も出さなくてはいけないので、体力勝負みたいなところもありましたね。頑張りが報われる仕事だと思っていたし、やりがいがあって楽しかったです。
――その経験は、動きの激しいパフォーマンスが多い、今のお仕事にも活かされていますね。頑張りが報われるところも似ていませんか?
そうですね。仮面女子は現在、毎日人気投票が行われて、1位から最下位まで全部発表されます。売り子のアルバイトは時給制ではなく歩合制だったので、似ている点はありますね。頑張ったことが結果に出るという仕事が、私は好きなんだなって思いますね。