「イチローとは常にそばに…」。中日新助っ人、アルモンテが語る日本球界挑戦の意欲
中日ドラゴンズとの契約が発表されたソイロ・アルモンテとは、どのような選手なのか? ドミニカやキューバなど中南米に精通する記者がウインターリーグ参戦中に話を聞いた。(取材・文:高橋康光)
2018/01/24
Yasumitsu Takahashi
日本とドミニカ。両国の架け橋に
試合前の慌ただしい時間だったが、笑顔でインタビューに応じてくれた。コワモテの風貌とは裏腹な柔和な対応に好感を抱いてしまった。日本合流のため、近日中にもチームを離れるとのことだったが、リーグファイナル進出のためにアギラスに置き土産を残そうと奮闘するプレーぶりもまた印象的であった。
そして、このアルモンテをはじめ、日本球界でプレーするドミニカ人選手が増えているということ以外にも、確実に日本球界とドミニカ球界の距離が縮まっていることを実感できるエピソードをいくつか紹介しておきたい。
グラウンドで、お目当ての選手のインタビュー待ちをしていると、メジャーリーガーのエミリオ・ボニファシオが突然日本語で「モンダイナイ。イタイノイタイノトンデケ!」と笑って声を掛けてきたので、どこでそんな日本語を覚えたのかと尋ねると「カワサキが教えてくれた」と答えてくれた。彼と川﨑宗則はブルージェイズ時代のチームメイトだったのだ。
また、「あなた日本人?」と流暢な日本語で話しかけてきた人がおり、誰かと聞いてみると、ドミニカのカープアカデミー出身で広島でもプレーしたティモニエル・ペレス氏だった。普段は地元にある自身のアカデミーで指導を行っているが、このウインターリーグ期間中はティグレス・デ・リセイのコーチを務めているということだった。日本での最終プレー年が1999年ということで随分と前のことになるが、当時を懐かしく語ってくれたのが印象に残っている。
我々日本人が、野球を通じてドミニカ共和国という存在を意識するようになったのと同じく、彼らもまた野球を通じて日本という存在の認識を高めてくれているようだ。もちろん選手自身は国際交流のためにプレーをしているわけではないが、自然と親善大使となっている一面もある。
今回インタビューに答えてくれたアルモンテも、プレー面での成功を期待するのはもちろんのことだが、両国の絆をより一層深めてくれる存在としての活躍も併せて期待したい次第である。