岡、奮起せよ！ 「清宮フィーバー」の裏側で勃発、ハイレベルな外野レギュラー争い【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#68】
今年のファイターズのキャンプは、間違いなく清宮フィーバーに沸くだろう。しかし当然、注目すべき点は清宮だけではない。チーム全体に眼を向けると、外野3枠を懸けたレギュラー争いが非常に興味深い。
2018/01/28
岡、2軍スタートの意味
今年、春季キャンプの1、2軍組分けが発表になって、注目したのは岡大海の国頭(くにがみ）スタートだ。格からいえば1軍組であってしかるべき選手だが、2軍組に振り分けられた。まぁ、2軍組といってもベテラン田中賢介がいるくらいで、厳密な話ではない。むしろ、じっくりマイペースの調整ができるという意味で「特別待遇」ともいえる。
ただ岡の心中はどうなのかなと思うのだ。1軍は華やかなアリゾナ州スコッツデール、2軍は名護から更に奥まった国頭だ。メディアもほとんど来ない。プライドを傷つけられてもおかしくない。僕はそこに首脳陣の深謀遠慮を見る。これは岡を見捨てぞんざいに扱うようでいて、その実、奮起を促してるのじゃないか。
岡大海は爆発する必要がある。一昨年、頭角をあらわしチームの日本一に貢献したものの、去年はキャンプ中の腰痛に始まって、コンディション不良で鳴かず飛ばずだ。『エースをねらえ！』の岡ひろみにあやかって（？）背番号を18に変更し、陽岱鋼に代わりレギュラー奪取かと思われたが、アテが外れた。このままでは一昨年の活躍が勢いだったといわれてしまう。
岡はとんでもない伸びしろを持った選手だ。僕はファイターズのセンターは西川遥輝ではなく、岡が務めるべきだと思う。奪い取る（奪い返す？）勝負をしてほしいと思う。2月中旬、1軍組が帰国して、沖縄で合流するときが見ものだ。岡はどんな姿で1軍組を出迎えるだろう。そしてキャンプ後半、オープン戦と闘いを挑んでいくだろう。
今年、間違いなく面白いのは「外野手大戦争」だ。レギュラー争いは本来なら去年、勃発していたはずであったが故障者が続出し、逆に外野手が足りなくなっていた。オープン戦、新人の森山恵佑が出ずっぱりだったのを覚えている。で、故障から復帰し輝きを見せてくれたのが大田泰示、ダークホースの状態から一気に飛び出したのが松本剛だった。
（西川は別格として）それじゃ大田も松本も今年は定位置安泰なのか。そうとは限らない。4割打者・近藤健介がライトに入る可能性がある。人気者の谷口雄也、才能のかたまり・淺間大基も戦列復帰だ。おにぎり君・横尾俊建もチャンスをうかがう。そしてもちろん新外国人、オズワルド・アルシアも腕を撫している。
大変ハイレバルな争いが繰り広げられると思う。そこに岡が加わるかどうか。僕としては2軍組から一転、「外野手大戦争」の主役に躍り出ても少しも驚かないのだ。まず悔しさから出発だなぁ。「清宮フィーバー」の裏側で、岡が地味なスタートを切る。野球ドラマの含蓄のあるところだ。
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